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中公新書
ペリー来航―日本・琉球をゆるがした412日間

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  • サイズ 新書判/ページ数 176p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121023803
  • NDC分類 210.595
  • Cコード C1221

内容説明

一八五三年五月、アメリカの東インド艦隊が那覇沖に、七月には浦賀沖に現れ、琉球王国と日本は開国と動乱の時代を迎える。「黒船」見物、琉球調査隊による発砲事件、乗組員の無断上陸、電信機実験など、そのとき多くの人びとが初めて西洋人と西洋文明に遭遇した。翌年の条約締結までの間、何が起こっていたのか。条約交渉過程を追いつつ、黒船絵巻や瓦版、日記などを博捜し、庶民が経験した事件としてのペリー来航を描く。

目次

第1章 一九世紀のアメリカと日本
第2章 ペリー艦隊、琉球へ
第3章 ペリー上陸―浦賀奉行と防衛体制
第4章 再来から日米和親条約締結へ
第5章 高まる人びとの好奇心―西洋との遭遇
第6章 広がるペリー情報―触書・黒船絵巻・瓦版
第7章 条約締結後の日本

著者等紹介

西川武臣[ニシカワタケオミ]
1955年愛知県生まれ。明治大学大学院文学研究科史学専攻博士前期課程修了。博士(史学)。専門は日本近世・近代史。現在、横浜開港資料館・横浜都市発展記念館副館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

リードシクティス

16
まず、ペリーというのはなんとなく太平洋をまっすぐ横断してやって来たと思っていたのだが、大西洋からインド洋経由で来たのだね。日本に来る前に、そのころまだ琉球王国だった沖縄に上陸し、琉米修好条約なるものを結んでいたというのも初めて知った。その後ペリー艦隊は浦賀に現れ、日本と日米和親条約を締結するに至るが、この本で書かれているのは、まだ攘夷の嵐が吹き荒れる前、多くの日本人が初めて西洋の文明を目の当たりにした、驚きと興奮と好奇心の爆発である。このエネルギーがやがて封建体制を壊し、明治維新へとつながっていく。2019/04/18

skunk_c

16
横浜育ちで横浜暮らしとしては、登場する地名がことごとくなじみがあり、その街の興奮のようなものが伝わってきた。瓦版や図版など豊富な史料を利用して、特に庶民の反応や、外交を担当した武士たち、そしてアメリカの水兵などの行動などが生々しい。黒船の上で酔っ払いながらがっついて洋食をむさぼる武士の様子など、想像するだけで楽しい。通説ではアメリカ大統領の国書を広く公開したことが幕末の動乱に繋がるとされているが、同時に文明開化を準備した面もあり、こうした側面から維新を見る視点は新鮮。開港資料館に行きたくなった。2016/07/23

かんがく

12
教科書では黒船の衝撃→開国というピンポイントでしか語られないペリー来航について、背景にある国際情勢や、琉球、小笠原、松前などの各地で行われた交渉、一般民衆の反応まで詳しく書いていて新鮮だった。2022/03/28

勝浩1958

12
1854年に琉米修好条約が結ばれ、アメリカ合衆国は琉球と最初に近代的な条約を結んだ国となったことは、その後の沖縄とアメリカの関係を暗示しているかのようです。条約の内容はまったく違いますが、沖縄とアメリカは切っても切れない関係になってしまいました。これはその時どきの日米双方の為政者のなせる業でしょうか。琉球の民にとっては薩摩藩や清との交流時が一番幸せな期間だったかも知れません。2016/11/19

あんころもち

8
ペリー来航前からハリスに至るゴタゴタを庶民の日記や絵巻から解き明かす本。何より豊富な図版とその解説が当時の狂乱ぶりを伝えてくれて面白い。ただし、それ以外の基礎的な情報となる政治史の描写がどうも雑学的で表層的で十分な文献の読み込みがされていないように見え、蛇足にも思える。かと言ってその部分を差し引いたら100ページに遥かに満たない小冊となってしまうので、もっと図版を集めた上で体系化をして欲しかった。2016/09/11

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