中公新書<br> 鉄道技術の日本史―SLから、電車、超電導リニアまで

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中公新書
鉄道技術の日本史―SLから、電車、超電導リニアまで

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  • サイズ 新書判/ページ数 248p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121023124
  • NDC分類 516.021
  • Cコード C1221

内容説明

イギリスの指導のもと、明治の初めに産声を上げた日本の鉄道。山がちな国土に狭軌という悪条件を克服する過程で、高速性、快適性、安全性を向上させ、1964年の東海道新幹線開業によってついに世界トップの水準に躍り出た。日本は現在、超電導リニアの技術で諸外国をリードし、かつて指導を受けたイギリスに高速電車網を構築している。本書では、明治から平成まで、多岐にわたる鉄道技術の進歩に光を当てる。

目次

線路を敷かねば汽車は走れない(標準軌か?狭軌か?;鉄道土木は金がかかる;ちょんまげ帯刀の測量員ほか)
鉄がなければ始まらない(木造客車はお手のもの;江戸っ子の実力;八幡製鉄所はまずレールを造った ほか)
SL製造は先端技術だった(SLの輸入から国産へ;技術習得の最終仕上げへ;SLの強大化及び技巧化 ほか)
ディーゼルカーも一時は世界一(気動車の登場;ディーゼル列車の興亡;ディーゼルカーの原理 ほか)
雨後の筍の郊外電車(インターアーバンの後継者は日本;アメリカのインターアーバン;日本の郊外列車 ほか)
電車王国の形成(新性能電車の出現;台車の振動を研究せよ;“ボルスターレス台車” ほか)
新幹線の衝撃(世界は始めて振り向いた;世界は高速鉄道の時代;強度の問題 ほか)
事故は減ったが用心は大事(鉄道ブレーキの揺籃期;信号の歴史;日本での運用 ほか)
鉄道技術の担い手と新技術(鉄道車両を造るのは誰?;工作局と鉄道技研;鉄道省の帝王学 ほか)
鉄道の先端技術
鉄道立国・日本(リニアにはいろいろある;夢の「超伝導リニア」;磁気浮上リニアの歴史 ほか)

著者等紹介

小島英俊[コジマヒデトシ]
1939年東京都生まれ。東京大学法学部を卒業後、三菱商事化学品部門で国内外に勤務したのち、食品関係の会社(株)セデベ・ジャポンを設立し、代表取締役を務めた。2005年より鉄道史・近代史を中心に執筆活動を展開。鉄道史学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

57
2015年刊。内容はタイトルと異なり日本の鉄道技術史というべきもの。蒸気機関車から始まり、ディーゼル、電車、さらには台車や三相交流まで、図解を交えてその導入や発展の歴史をたどっており、今まで疑問に感じていたことや、知りたかったことがわかりやすく示されていて面白かった。ただ超電導リニアについての手放しの評価については、本当に必要なものなのか、そのコストや環境への影響(現実に静岡で問題になっている)、そして電力需要など、かなり疑問もある。確かに夢の技術だろうが、人口停滞で定常化も視野に入れるとどうなのかなぁ。2022/12/02

sibasiba

10
製鉄技術の欠如は知っていたが黎明期ここまで長い間輸入に頼っていたのか。リニアはこれほどの期間と資金を投入する程の価値が有るのか? 日立の「ジャベリン」を皮切りにどんどん海外に売り込んで欲しい。2015/06/04

hide

9
今でこそ日本の鉄道技術は世界屈指で輸出元になっているが、戦後までは後進もいいところだったというのが正直意外だった。急峻な国土により線路敷設のコストが嵩む、そもそも素材(名前の通り鉄をバカ食いする)や技術を持っていなかったため輸入→内製化する必要があるなど、無数のハードルを越えて今日の鉄道が出来たことが読んでいて伝わってきた。 超伝導リニアの技術的先進性・ロマンは理解できるけど、JR東海があそこまでの投資をする合理性があるのかは甚だ疑問が残る。2021/05/19

isao_key

8
欧米から約40年遅れて1870年頃に始まった日本の鉄道事業建設を大きく4つの段階に分け、分かりやすく解説する。1期が1870年から1920年の50年間で、当時の技術には江戸時代以来の三角測量技術が使われていた。この時代の終盤にSLや電車の国産化が進み、日本の技術も先進国に肩を並べる。2期は1920年から1955年の35年で、SL時代が終焉を迎え電化とディーゼル化が進み技術も急速な進歩を遂げた。3期が1955年から1985年の30年で鉄道システムの改革があった。最後に現代まで続く超伝導リニアの時代へと移る。2016/02/29

アメヲトコ

7
明治の鉄道導入からリニアまでの日本鉄道史を工学的な面から概説した一冊。測量の方法から車体の設計、台車やモーター、ブレーキの仕組みなどのさまざまな技術の仕組みが分かりやすく解説されていて(とはいえ高校程度の物理の基礎知識は必要)面白いです。日本もこの分野では世界をリードしてきたものの、国際競争の熾烈な時代、うかうかしてるとあっさり抜き去られかねないところもあり、これからが正念場なのかも。2017/09/04

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