内容説明
一九七二年九月、戦後三〇年近く対立していた中国と国交が結ばれた。この国交正常化交渉は、その後も続く歴史認識、戦争賠償、台湾問題、尖閣諸島など日中関係の論点が凝縮されていた。また冷戦下、アメリカとの関係維持に腐心しながら試みられたものだった。本書は、外交記録、インタビューなどからこの過程を掘り起こし、政治のリーダーシップに着目し、政治家、官僚たちの動きを精緻に追う。現代史を探る意欲作。
目次
北京への道
田中角栄と大平正芳―二つのリーダーシップ
ニクソン・ショック―ポスト佐藤へ
田中内閣成立と竹入メモ―最初の接触
アメリカの影―ハワイでの田中・ニクソン会談
台湾―椎名・蒋経国会談という「勧進帳」
田中訪中と「ご迷惑」スピーチ―交渉第一日(一九七二年九月二五日)
周恩来の「ブラフ」、大平の「腹案」―交渉第二日(九月二六日)
尖閣諸島と田中・毛沢東会談―交渉第三日(九月二七日)
日中共同声明と日台断交―交渉第四~六日(九月二八~三〇日)
日中講和の精神
著者等紹介
服部龍二[ハットリリュウジ]
1968(昭和43)年東京都生まれ。92年京都大学法学部卒業。97年神戸大学大学院法学研究科単位取得退学。博士(政治学)。現在、中央大学総合政策学部教授。日本外交史・東アジア国際政治史専攻。著書『東アジア国際環境の変動と日本外交1918‐1931』(有斐閣、2001年。平成13年度吉田茂賞受賞)他多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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