中公新書
日本の仏像―飛鳥・白鳳・天平の祈りと美

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  • サイズ 新書判/ページ数 274p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121019882
  • NDC分類 718
  • Cコード C1271

出版社内容情報

現代の私たちをも魅了してやまない古代の仏像。仏教の思想に立ち戻りながら、仏像の表現から祈りの風景を丹念に読み解いていく。カラー口絵16頁つき。

内容説明

仏教では、釈迦その人に出会うことが何よりの理想とされる。だが、真の釈迦には容易に会えないばかりか、建築・彫刻を司る神匠である毘首羯磨天でも写せないほどその姿は偉大だと、説話は伝える。釈迦に会いたい。そう願ったからこそ、仏を描写し現世に再現しようと、古来、人々は心を砕いてきたのである。本書では、造り、祈った人々に注目し、仏像の表情と荘厳を読み解く。日本の仏像の起源、祈りと美の原風景をたずねて。

目次

序章 仏像を造るとはどういうことか
第1章 聖徳太子のために造られた仏像
第2章 生身という思想
第3章 釈迦に出会う
第4章 仏はどこにいるか
第5章 天の働き
第6章 国土を法界にする
第7章 救済のかたちと場所
終章 重ねられる祈り

著者等紹介

長岡龍作[ナガオカリュウサク]
1960年(昭和35年)青森に生まれ北海道で育つ。東北大学文学部卒業後、同大学大学院博士課程中退。同大学文学部助手、東京国立文化財研究所研究員、同主任研究官、東北大学大学院文学研究科助教授をへて、現在、同大学大学院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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レアル

49
仏像でも副題にあるように飛鳥・白鳳・天平時代のモノにスポットを当てて、かつ鑑賞というよりは、祈りという視点から仏像を解説している。仏像は無論、仏法等の事まで書かれてあるのも嬉しい。またこの時代の仏像は純粋に祈りを目的に造られていた事も分かるし、読んでいて楽しい。こういう本を読むと仏様に会いに行きたくなる。2019/07/12

ともとも

29
奈良時代の仏像、いろいろな時代ごと、人の思いや祈りが込められている。 歴史や佛教の思想として新しい学びと発見への喜びと驚き、 そして美術としての美しさを感じながらも、時代と人の想いや祈りが 届いてきそうな感覚に陥ってしまいました。 奈良の白鳳、飛鳥の仏像の美しさ、そして人々の時代の祈りを感じながらも、 仏像の魅力に迫っていく。 そんな人の真摯で崇高な心、歴史の重みを感じさせる1冊で良かったです。 2015/12/27

いりあ

21
仏像について書かれた作品は、仏像ガイドか美術論的な内容になることが多いですが、本作は少し変わった視点から書かれています。登場する仏像は、飛鳥大仏や法隆寺の釈迦三尊像に代表される飛鳥時代、薬師寺の薬師如来に代表される白鳳時代、奈良の大仏として親しまれている天平時代の仏像に的を絞り、なぜその仏像が作られることになったのかという当時の人々の願いや考えを中心に語られています。インドで生まれた仏教が中国を通じて日本に伝来した事が分かる神仙思想との融合や当時の女性の救済への考え方など、とても興味深かった。2013/03/17

Tomoichi

17
飛鳥・白鳳・天平の仏像をその元となる経典・社会背景・思想から解説。深く理解するには再読の必要を感じるが、当時の人々の深い思想を感じられたのは良かった。仏教経典を理解しそれを具現化した仏師達の凄さを感じたが、そのあたりのことはあまり解説がないのが残念でした。2018/08/28

ヤギ郎

9
飛鳥・白鳳・天平の仏像を取り上げ、その作成された背景や歴史上の位置づけを記した本。仏像の顔や容姿などの本体そのものよりも、仏像に関わる社会的な記述の方が多い。仏教という宗教の中の扱いについても分析している。正直なところ、難しい一冊だった。2017/10/25

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