中公新書
核爆発災害―そのとき何が起こるのか

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  • サイズ 新書判/ページ数 274p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121018953
  • NDC分類 559.7
  • Cコード C1242

出版社内容情報

核爆発の影響下にあっても、生存者はいた。純粋に物理化学的な見地から過去の被曝事例を検証し、想定される被害と生存可能性を探る。

内容説明

第二次世界大戦末期、広島に投下された核爆弾が爆発した直下でも、生き延びられた人がいた。また、ビキニ環礁での実験でも島民たちは放射線を被曝したが生存している。不幸にも核爆発の影響下にいた場合、生死を分けるものは何なのだろうか。本書は、政治的な視点を一切除外し、純粋に科学的な見地から、過去の核爆発事例を検証し、現在判明しているかぎりでの最新兵器による被害と生存可能性とを推測する試みである。

目次

第1章 奇跡の生存者にみる広島空中核爆発の直下(爆心から五〇〇メートルの電車内で衝撃波を回避;線量を大幅に回避 ほか)
第2章 地表核爆発実験(ビキニにおける一五メガトン熱核爆弾の地表実験;その時の第五福竜丸 ほか)
第3章 核爆発災害の科学(核爆発の五つの特性;ウランとプルトニウムの核の構成 ほか)
第4章 核に関わる危険な事態と技術(日本が核攻撃を受ける事態;核エネルギー施設自体は核爆発しない ほか)
第5章 被害と防護のシミュレーション―東京に弾道ミサイルが来たら(被害と防護の予測計算方式―NEDIPSとRAPS;二〇キロトン核弾頭で東京都心は壊滅する ほか)

著者等紹介

高田純[タカダジュン]
1954年(昭和29年)、東京都生まれ。弘前大学理学部物理学科卒業。広島大学大学院理学研究科博士課程中退。理学博士。広島大学原爆放射線医科学研究所助教授を経て、札幌医科大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

№9

22
第三章「核爆発災害の科学」を除けば、本書は実は読みやすく分かりやすい。第一章広島空中核爆発の直下と第二章ビキニ環礁における地表核爆発実験の調査を踏まえて、他国からの核攻撃を受ける事態になったときの被害想定と避難防護策を真面目に示唆してくれている。他国からの核攻撃?とまれ、21世紀はこの13年、想定外の事態の連続だったではないか?実際に隣国のその照準がわが国に合わせられている現実を知れば、その知識と備えを少なく見積もることは浅はかというものだろう。本書はそんな不測の事態に対する心構えを与えてくれる良書だ。2013/01/31

しんこい

3
原発と核兵器は違いますが、参考になります。空中より地表爆発の方が遥かに被害甚大になるとは知りませんでした。原発事故で問題になっているのが、ミリやマイクロなのに、核爆発ではその1000倍のシーベルトの被爆が問題になっているのだから、恐ろしい。2011/07/16

バチスカーフ

3
原子力災害のメカニズムを知ることにより、その冷静な対処法がわかります。福島原発クライシスの今、必読本!まだ間に合うかも!2011/03/13

KainokiKaede

3
最初の方は実例、中間部には核爆発災害の理論が載っていて、最後にどう行動すればよいかが完結にまとまっている。第五章を読んでおくだけでも、実際に災害が起こったときにどのように行動すればよいかの指針になるだろう。2010/05/26

CTC

2
著者は札幌医科大教授、物理学者。この本は2007年に著された。広島やビキニ環礁での事例に基づき、核爆発下で生死を分ける要因を科学的にみて、生存の可能性を探る。先の大災害を経てから本書を見てみれば、どうであろう。巻末にフランスの事例を引いて、不測の事故や問題の際に即応できる装備や組織、法整備の必要性を記している。事例の点では、ビキニでの第五福竜丸の被曝事例が、死者を出すほどの重篤なものになったのは、輸血の際の肝炎が原因である事を、状況から説明しきっており非常に説得力がある。ただし著者は近年トンデモ化?2015/07/07

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