出版社内容情報
中国雲南省辺りの湖畔で水稲栽培に成功し、河川を通じて東アジアや東南アジアの広域に移住していった人々があった。これら文化的特質を共有する人々を、著者は「倭族」という概念により捉える。この倭族の中で朝鮮半島を経て縄文晩期に日本に渡ってきたのが弥生人である。著者は、倭族の日本渡来の足跡を理解するため、径路となった朝鮮半島および済州島を踏査。そこには日本では失われつつある倭族の習俗・慣習が脈々と息づいていた。
内容説明
中国雲南省辺りの湖畔で水稲栽培に成功し、河川を通じて東アジアや東南アジアの広域に移住していった人々があった。これら文化的特質を共有する人々を、著者は「倭族」という概念により捉える。この倭族の中で朝鮮半島を経て縄文晩期に日本に渡ってきたのが弥生人である。著者は、倭族の日本渡来の足跡を理解するため、径路となった朝鮮半島および済州島を踏査。そこには日本では失われつつある倭族の習俗・慣習が脈々と息づいていた。
目次
序章 古代の辰国と倭族
1章 朝鮮神話の系譜を探る
2章 耽羅国の神話と歴史
3章 邪霊の侵入を防ぐ神々
4章 堂信仰と蛇神
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
75
その中で、興味深かったこと、そして今でも印象深かったのは、「鳥居の形式はどうやら中国・江南が発祥地」らしいということ、さらに、鳥越憲三郎氏は「「倭族」という概念で、中国南部や東南アジア、それから朝鮮南部および日本に共通して残る習俗を括」った上で、「雲南省やそこに隣接する東南アジア北部の山岳地帯に棲むタイ系諸族(アカ・ハニ族など)に「鳥居」が見出されている」という指摘だった。
Tomoichi
12
最近読んだ本で一番つまらなかった。だいたい著者の倭族の定義に同意できない。なんか独りよがりの説で残念。2023/12/30
wei xian tiang
6
前半は主に卵生神話の検討、後半は耽羅•済州について。岡谷先生の「原始の神社をもとめて―日本・琉球・済州島」も大変面白かったが、済州の堂信仰は気になっている。琉球の御嶽は勿論だが、地理的に近い壱岐のヤボサ無等との比較検討も欲しいところ。民の不安を煽ることで供物を搾取する巫覡の堕落について、儒教や権力の不庇護を理由に論じるのは慎重に欠けるのでは。前提条件のあまりに違う琉球でも「男の尾類(ジュリ=遊女)買い女のユタ買い」という言葉がある位だから。2014/09/06
takao
2
倭族の中で朝鮮半島を経て縄文晩期に日本に渡ってきたのが弥生人。 じゃ、縄文人は?2021/06/02
穀雨
2
大和民族の源流がはるばる雲南省に求められるという見返しの紹介に、半信半疑で読み始めたが、タイやミャンマーの山奥に残る習俗が日本のそれと酷似している例がいくつも紹介されていて、たいへん興味深かった。2013/03/06