中公新書<br> 江戸城御庭番―徳川将軍の耳と目

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中公新書
江戸城御庭番―徳川将軍の耳と目

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  • サイズ 新書判/ページ数 214p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784121010735
  • NDC分類 210.5
  • Cコード C1221

内容説明

徳川吉宗が8代将軍の座につくと、紀州藩士205名を幕臣に編入、側近とした。その中に将軍の耳や目となり活動する隠密の一団があった。御庭番である。彼らは表向き、将軍やその家族の身辺警備・取次などを勤めたが、いったん命が下ると姿を変えて各地で情報収集に当たった。のちにその家筋から幕政に重用される人材を生む。本書は、厳格な統制と秘密保持をもって将軍に情報をもたらし、徳川権力を支えた御庭番を精密に考証する。

目次

序 徳川監察政治と御庭番
1 御庭番の創設と御庭番家筋
2 表向きの職務と内密の御用
3 江戸向地廻り御用
4 遠国御用
5 御庭番の昇進

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

42
御庭番って時代劇に出てくるだけじゃなくて、きちんと役職として存在していたんだ! という驚きがありました。あまり読みやすい本ではないですが、具体的な仕事内容や、当時の将軍がどんなところに興味を示していたのか理解できると思います。2015/09/01

hit4papa

29
時代劇では颯爽としたつえー奴のイメージのある御庭番。実際は、徳川吉宗の時代から、せっせと精勤する事務方です。本書を読むと、(日当付き)出張で調査業務をこなすサラリーマン探偵は、意外にも身分は高かったのがわかります。御庭番となったものの子々孫々にわたる系譜やら、役職やら(これでもか!と詳細な記述)、住居の地図やら、延々と当時の資料など読むはめになり、実に退屈です。ドラマのような派手な活躍の痕跡は些かも見出せません。チクって役職者が左遷される事例をみると、なんとまぁ、せせこましい役どころかと思ってしまいます。2019/06/19

印度 洋一郎

5
徳川幕府の諜報機関である御庭番。その性質上、謎に包まれている組織の実態を、残された文書から分析している。特定の家系のものだけが閉鎖的に継承する独特の組織で、その調査報告は幕政にもかなりの影響があり、御庭番から勘定奉行などの高官に出世する者もいるぐらいの重職だった。後半に出てくる薩摩や江戸市中の打ち壊しに関する調査の記録は、書式や手続きまで詳細であり、このままドラマ化してもらいたい位興味深い。時には将軍に直接報告する事もあったということで、時代劇もまんざら嘘でも無かったわけだ。2010/12/14

いきもの

3
なんか強そうな連中、江戸城御庭番。吉宗以降の隠密の家筋で幕末まで将軍直属で情報収集にあたっていた役職。丁寧な感じではあるけど、叙述が平坦であまり面白みがない。あまり面白い事件はなかったのかもしれないけど。2017/03/05

NyanNyanShinji

1
江戸城御庭番というと『暴れん坊将軍』を思い出す。この本によるとその設定に誤りは無く、徳川8代将軍の吉宗の将軍就任の際に、紀州から連れてきた家臣団を将軍直属の諜報部隊として新たに組織された役職という。また吉宗の後も幕末まで彼らは世襲で御庭番を継ぎ、勘定奉行などの栄進をした者もいると言う。第一級の資料と明治時代の元御庭番のインタビュー等の厳選された資料にのみ構成されていていかがわしさ皆無の良書だった。流石に将軍様の「成敗!」の一声で悪者にトドメを刺す血に汚れた任務は無かった様だ。2022/07/07

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