出版社内容情報
孫娘と頑固ばあさん
2019年と1963年をまたぐ
二人の冒険の行く先は?
高校入学を目前に、ふとした異変で
昭和にタイムスリップしてしまった菜緒。
時はオリンピック前年。
口が悪く愛想なしの祖母を相棒に
東京タワーから始まる物語は
思わぬ出会いと発見にあふれて――
やがて明らかになる、ばあさんの封印された過去。
取り返しのつかない出来事を、
菜緒は覆すことができるのか!?
愉快で爽快、ラストに涙が待っている。
阿川佐和子の最新小説
装画・挿絵 石川えりこ
内容説明
高校入学を目前に、ふとした異変で昭和にタイムスリップしてしまった菜緒。愛想なしの祖母を相棒に東京タワーから始まる物語は、出会いと発見にあふれて…。封印されたばあさんの過去。取り返しのつかない出来事を、菜緒は覆すことができるのか!?
著者等紹介
阿川佐和子[アガワサワコ]
1953年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部西洋史学科卒。エッセイスト、作家。99年、檀ふみとの往復エッセイ『ああ言えばこう食う』で講談社エッセイ賞、2000年、『ウメ子』で坪田譲治文学賞、08年、『婚約のあとで』で島清恋愛文学賞を受賞。12年、『聞く力―心をひらく35のヒント』がミリオンセラーとなった。14年、菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よつば🍀
98
時は2019年。高校進学祝いに東京タワーを訪れた15歳の内村菜緒と母方の祖母・山口和の二人。突如停止したエレベーターが再び動き出し、地上に降りてみればそこは1963年、昭和38年の日本と、どっぷりタイムスリップ物。軽快な文章とテンポの良いばあさん&孫の会話にスイスイ読み進める事は出来るが、タイムスリップ物に有り勝ちな、過去を変えたいといった内容は目新しさを感じず残念。昔、駅にあった大きな黒板を利用した掲示板など懐かしい描写もあるが最後の手紙のくだりも既視感があって感動出来ず。軽いタッチのSFファンタジー。2021/02/06
紫 綺
77
私にとってタイムスリップ人情モノは大好物♪雨の昭和の日一気読みで、楽しく読めた。菜緒の奮闘と成長がうれしい。昭和万歳!2021/04/29
J D
58
久しぶりの阿川佐和子さんの小説。「正義のセ」以来かな。ほのぼのとさせられ、気持ちが柔らかくなるような小説だった。昭和が懐かしく、「ああ!そうそう」と頷く場面もあった。昭和は遠くに行ってしまったんだなとしみじみ思った。温暖化に対する警鐘もあり、読む人や読む時期で感想も色々なんだろうな。菜緒と西原がうまく行くといいなとおじさんは願いながら読了した。2022/06/20
ぶんこ
53
東京タワーのエレベーターで昭和の時代にタイムスリップしてしまった菜緒とばあさん。お金もなく泊まる所にも困った2人。ばあさんの実家が渋谷だったことからそこへ向かいます。住み込みのお手伝いさんのせっちゃんが実に働き者で明るくていい人。ばあさんは繁盛している仕出し屋さんのひとり娘でした。結構横暴なばあさん、意外と素直で働き者の15歳の菜緒さん。仕出しのお手伝いをする菜緒さんに感心するが、ばあさんには辟易。タイムスリップを何回も経験する菜緒の幼馴染西原君。1回5日間、1人5回までのルールって?2023/01/23
はる
43
タイトルからして、ばあさんが何らかの原因で若返るのかと思ってたらタイムスリップ物でした。しかも、孫と一緒に。一般的にタイムスリップ物はパニックになるのが定番かと思ってたらそんな事はありません。至極冷静なばあさん。現代のお金で買い物やバスなんかにも乗っちゃいます。その上昔の実家に転がり込むのですが、すんなり受け入れられ、お手伝いなんかもします。読んでて何でだ?って思うけど、ちゃんと伏線回収は忘れずされますのでご安心下さい。そして、最後はばあさんの念願まで叶って面白く、ちょっと不思議で、想像力も必要な物語です2021/03/12