八日目の蝉

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  • サイズ B6判/ページ数 346p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120038167
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

不倫相手の子供を誘拐し、追っ手に脅え、罪の意識に苛まれる希和子。子供との温かい日々を続けられるのか?二人の女の心に分け入ることで家族という不可思議な枠組みの意味を探る、サスペンスフルで胸をうつ長篇。

★2007年度「中央公論文芸賞」受賞!全選考委員大絶賛!

これだけの長編を安定した文体で描ききった角田さんの力量に、改めて感服する。
──渡辺淳一氏

ラストシーンは秀逸だ。(中略)主要人物二人はすれ違う。それなのに読み終わったあとに希望が残る。
──林真理子氏

ほとんど完璧といっていいような「欠けることなき」傑作。角田さんは代表作の一つを書き上げた。
──鹿島茂氏

内容説明

逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるのだろうか。理性をゆるがす愛があり、罪にもそそぐ光があった。角田光代が全力で挑む長篇サスペンス。

著者等紹介

角田光代[カクタミツヨ]
1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。90年『幸福な遊戯』で海燕新人文学賞、96年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、98年『ぼくはきみのおにいさん』で坪田譲治文学賞、03年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、05年『対岸の彼女』で直木賞、06年『ロック母』で川端康成文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

風眠

291
ドラマも映画も見たことあるから、話の筋は分かってる、だから読まなくてもいいかって、通り過ぎてきた本。なんてもったいないことをしてしまったのだろう。本には本の魅力があって、文字だからこその迫力があって、途中でやめられなくなって、一気に読んだ。ラスト近く、薫が島のフェリー乗り場で記憶がよみがえるシーンの文章が素晴らしくて、思わず涙がこぼれてしまった。女であることに囚われたゆえの母性を、さまざまな登場人物の目線から描いた物語。予定調和で終わらないラストがまた、いい。2013/08/05

takaC

262
この小説の主人公は希和子だと思いますか?薫(恵理菜)だと思いますか?2013/01/12

そのぼん

197
親子って、家族って何かを問いかける作品でした。誘拐犯とその被害者とされる子供とがメインで物語が進みました。本来なら誘拐犯を憎むべきところですが、読み進めていくうちに、一概に憎みきれなくなってきて、複雑でした。映画版同様、重みのある感えさせられる内容となっていました。2012/10/04

PSV

188
時間がすべてを許すわけではなく、絆がすべてを容認するわけではない。社会には社会のルールがあって、個人には個人の事情があって、他人を愛する愛の形があれば、自分を愛する愛の形もある。八日目に、取り残されたのはだれか。これは、“わたし”と“あなた”の物語。所謂一つのセカイ系。セカイには、たぶん二人しかいなくて、セカイが二人を取り残した。それとも、二人がセカイを取り残したのだろうか。八日目の蝉、その目に映るセカイはどんなんだろうか。  ★★★★★  大人も子供も自分勝手、男も女も自分勝手。一人ぼっちの集まった世界2012/09/04

PIN

182
誘拐犯である希和子に、つい感情移入してしまう。不倫、誘拐、宗教団体での閉鎖された生活と、暗い話のはずが、読み終わった後はなんだか心がほっこりする本。 子供が昼寝している間に読んでいると、昼寝から起きた子供を抱きしめたくなる。2012/07/09

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