新潮選書
「死体」が語る中国文化

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  • サイズ B6判/ページ数 206p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106036101
  • NDC分類 222.004
  • Cコード C0314

内容説明

『史記』や『水滸伝』の昔に始まり、アヘン戦争、日中戦争、文化大革命へと至る近現代まで、中国史は戦争、動乱、圧政、自然災害などによる夥しい数の死体の上に築かれたと言っても過言ではない。そんな歴史が漢民族に植え付けた「死」と「死体」に対する感覚は、同じ東洋人でありながら日本人とはこんなにも違っていた―。「あの世」から中国を分析する刺激溢れる比較文化ルポ。

目次

第1章 香港での出会い
第2章 故郷と棺と骨へのこだわり
第3章 市場経済の時代に
第4章 無告の民と匪賊
第5章 死体の政治学
終章 東華義荘、ふたたび

著者等紹介

樋泉克夫[ヒイズミカツオ]
愛知県立大学外国語学部教授。1947年生まれ。中央大学法学部、香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士後期課程を経て外務省専門調査員として在タイ日本国大使館勤務(83~85年、88年~92年)。98年より愛知県立大学に勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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メロン泥棒

4
死者に対する強いこだわりがありながらも、風水的に良い公園に勝手に死体を埋めたり、墓もどんどん再利用したりと不思議な中国の死体観。計算上、死者を全て土葬すると1年間で山手線の内側と同じ面積の土地が必要になってしまうので、墓場の再活用やルーズな埋葬も必要なのかも知れない。また、中国に置いても豊かになるにつれ葬式が豪華になり一大ビジネスとなっているというのは日本と同じで面白い。2010/09/15

トーマス

3
死体への向き合い方、姿勢が古代より今に至るまで日本人的感性ではわからないということはわかるし、生々しいんですけど、ちょっと中国を小馬鹿にした感じがあって、品性に欠けますね。私も中国贔屓というわけではありませんが、ちょっといただけないなという表現というか馬鹿にした感じが見え透いてるのが良くない。趕屍人(二人で死体を運ぶ死体輸送業者)の担いだ死体がキョンシーに見えた説は説得力がありましたし、情報としてはまあ悪くない。ただし品性というかねえ。2015/02/16

韓信

3
現世と地続きの冥界観が生み出す、ドライで即物的な中国人の死体観をさぐる。先祖〜自分〜子孫とつながる生者と死者の相互扶助は儒教の底流をなすものだが、現代中国でもそれが生活に根付いているのがよく解る。現代版の俑といえる紙製のテレビや携帯(副葬せずに紙銭のように燃やす)、華僑社会の墓誌、死体を持ち出してお上に抗議する風習など、死をめぐる中国人の風習には形を変えて現代に生き続けているものが多いことにも驚いた。ただ、中国のカニバリズムについて、桑原ジツ蔵の研究を参照した形跡がないのは残念。2012/08/13

蘇芳

2
三國志の描写にえらい驚いたおぼえがあったので、なんか納得。ただ、後半の偏りと書籍からのみの引用が大部分で作者の考えで自己解決してたぶん、もっと現地の人の声を聴きたかった。2012/09/08

tama

2
悪書の類。「ちゃんころ嫌い」がまずあるようだ。著者は「そういう人」なだけだが、選書にした新潮はダメだな。2012/04/01

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