呪いの時代

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呪いの時代

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  • サイズ B6判/ページ数 285p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103300113
  • NDC分類 304
  • Cコード C0095

出版社内容情報

巷に溢れる、嫉妬や妬み、焦り……すべては自らにかけた「呪い」から始まった──まっとうな知性の使い方と「呪い」を解く智恵を語る、ウチダ的〝贈与論〟。

政治家の失言、ネット上の罵詈雑言、就活や婚活の壁……他人を呪うことは、自らを呪うこと。「ほんとうの私」なんてどこを探してもいない。ぱっとしない「自分」だけど、そろそろ受け容れて、もっと自分を愛そう。そして、他人にも祝福の言葉を贈ろう。時代に蔓延する「呪い」を解く智恵を語る、ウチダタツル的・新“贈与論”。

内容説明

巷に溢れる、嫉妬や妬み、焦り―すべては自らにかけた「呪い」から始まった。他者へ祝福の言葉を贈ることこそが、自分を愛することになる―呪いを解く智恵は、ウチダ的“贈与論”にあり。まっとうな知性の使い方と時代を読む方程式を考える一冊。

目次

1 日本のことを考える(呪いの時代;「祝福」の言葉について;「後手」に回る日本;英語が要らない奇跡の国;「婚活」と他者との共生;「草食系男子」とは何だったのか;『日本辺境論』を超えて;これからを生き延びる智恵;神の言葉に聴き従うもの)
2 未曾有の震災の後に(荒ぶる神を鎮める;戦争世代と科学について)

著者等紹介

内田樹[ウチダタツル]
1950(昭和25)年、東京都生まれ。東京大学文学部卒。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退。神戸女学院大学文学部総合文化学科を2011年3月に退官。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。『私家版・ユダヤ文化論』で第6回小林秀雄賞、『日本辺境論』で新書大賞2010、著作活動全般に対して第3回伊丹十三賞を受賞。神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

寛生

58
【図書館】内田自身が元々本書や他書で言及している白川の「呪いの思想」の根幹にある「呪」は口+兄であり「左は祝詞で、右は祝詞を頂いておる人」という意味であるが、(214ー白川)内田の「呪い」は通常の日本語の意味に終始している。これが何よりも残念に思う。内田の「呪い」は破壊を意味。1、9、10章がいい。レヴィナスについての言及が特に興味深い。62頁辺に展開するアメリカ論には少し閉口する。アメリカだって元々原住民/ネイティブアメリカンがいたんですが?その人たちを殺傷し、黒人を奴隷として発展してきたんだけどな。2014/11/16

ヒデミン@もも

40
『呪われた時代』ではなく『呪いの時代』ってところが内田さんらしい。新潮45に寄稿されたエッセイをまとめたものらしいから、興味がある話題はスルッと理解でき共感したり感心したり。特に娘が成人式を迎えたこともあり。「草食系男子」のくだり。大人になるということは「だんだん人間が複雑になる」ということ。表情も感情も複雑に。人格の層の厚みが増す。少年のような無垢さ。青年のような客気。老人のような涼しい諦念。「これもまた私」他者との共生能力の基礎は「我がうちなる他者たち」2016/01/12

Maiラピ

38
2012年最初の読書本です´ω`*いつもどおりのブレのない、しかも環境の変化を踏まえた一歩進んだ知見を教授してもらえた。原発事故はある意味“ほうれんそう”の産物であるって言葉は今の日本企業を表していて、悲しいかな頷けてしまう。“神の沈黙”についての明解なレヴィナスの答えも教えてもらえた。日本人の宗教観もうまく捉えている一人だと思う。太宰が中高生に共感される作家であることの解釈が納得させられた。そう私も中高生の頃、そう思った<そんな大人とはじめてあった>って。“読者の知性に対する敬意”。2012/01/05

Gatsby

27
「新潮45」という雑誌に掲載された内田先生の文章を編集した本。したがって、いつものブログからのコンピレーションとは少し趣が違ったものになっている。中でも、私が興味を持ったのは、草食系男子の話。先日の新聞・テレビの報道で、独身の10代後半から30代前半までの男性の約60%、女性の約50%が異性の交際相手がいないという報道に興味を持っていたからだ。傷つきたくない草食系男子は女性を「口説く」ことはなく、「付き合ってる人はいるの?」という言葉を使って、いると言われた時にはそれが社交上の言葉だと思わせる。 2011/11/27

ちさと

25
あらゆる知識を総動員した上での自身の思考を、一般読者にも分かりやすい形にして分けてくれる内田先生。 天からの贈り物(才能)には返礼義務があると実感されているからこそ、読者の為に骨を折って、文章の意味や字義、音の推敲を繰り返されているんだろうなと思わされる文章です。本書では、自己評価と外部評価の格差に自尊感情が満たされず、簡単に大規模で印象的な出力をもたらす「破壊」に目が向いている現代社会の定形を考察し、批判しています。一章ごとに本が書けるのではないかと思う濃厚な内容でした。2018/11/06

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