貧者を喰らう国―中国格差社会からの警告

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  • サイズ B6判/ページ数 202p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103183310
  • NDC分類 302.22
  • Cコード C0095

出版社内容情報

経済発展の陰で、貧者たちの慟哭が聞こえる。貧困地域に深く入り込んだ研究者が、人間性を破壊する中国格差社会の「恐怖」と「構造」を抉り出す。

内容説明

経済発展の陰で、蔓延する焦燥・怨嗟・絶望。人間性を破壊する歪んだ国はいかに作られたか。注目の中国研究者による衝撃レポート。

目次

第1章 エイズ村の慟哭(不満を爆発させる輸血感染者;政府も関与していた血液ビジネス ほか)
第2章 荒廃する農村(戸籍制度が規定する「農民」;不公平な農業税制度 ほか)
第3章 漂泊する農民工(若者のいない村;第二世代の農民工 ほか)
第4章 社会主義市場経済の罠(毛沢東時代の土地改革;「先富論」と農村の土地制度 ほか)
第5章 歪んだ学歴競争(格差を助長する大学入試制度;「自力更生」と競争原理 ほか)

著者等紹介

阿古智子[アコトモコ]
1971年大阪府生まれ。早稲田大学国際教養学部准教授。大阪外国語大学外国語学部中国語学科卒、名古屋大学国際開発研究科修士課程修了、香港大学教育学系Ph.D.(博士)取得。在中国日本大使館専門調査員、姫路獨協大学助教授、学習院女子大学准教授を経て、2009年より現職。現代中国の社会変動が主な研究テーマ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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小音

7
最初「貧者を喰らう」という言葉に異様さを感じましたが、表題の意味が読み進むにつれ理解できるようになった気がします。ニュース等の情報からでは知りえないような 中国の内々の悲壮感を伴う実状を知ることができます。社会には、システム以前の一人一人の道徳心が重要ではないかと感じました。最後の「おわりに」の章の『本書は中国の格差社会の矛盾を論じた本であるが、一方で日本が抱えている社会問題も意識しながら執筆した』という文章が心に残りました。 2010/04/30

tomoyu

3
国家レベルで真っ当なシステムデザインするためには何が必要なんでしょうかね2009/10/31

Ryuji

2
★★★☆☆毒々しいタイトルですが、中国の貧富の格差についてルポした本。著者がまえがきでも書いていたが、「対岸の火事と見るかどうか」で全く違う印象が残る本だと思う。資本主義経済を選択してる以上、格差が出るのは当たり前のこと。但し、その格差が国の政策や社会システムから来るものである場合は問題なのだと思う。今の日本も「対岸の火事」と見ていることは出来ないのではないだろうか。2013/06/21

nuna

2
センセーショナルさは抑えたまっとうなフィールドワーク研究の集大成。中国は急速な発展の影に様々な歪みを生じさせている。筆者は農民と都市住民の格差に焦点をあて、中央政府の政策が導いた農民達の悲惨な状況を丁寧に拾い上げている。ここまで遵法精神のない地方政府や企業は日本からすると考えにくいが、言論・報道の自由がないとこうなるのかもしれない。2009/12/06

takao

1
ふむ2020/12/18

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