内容説明
明日から夏休みという終業式の日、小学校を休んだS君の家に寄った僕は、彼が家の中で首を吊っているのを発見する。慌てて学校に戻り、先生が警察と一緒に駆け付けてみると、なぜか死体は消えていた。「嘘じゃない。確かに見たんだ!」混乱する僕の前に、今度はS君の生まれ変わりと称するモノが現れ、訴えた。―僕は、殺されたんだ。半信半疑のまま、僕と妹・ミカはS君に言われるままに、真相を探る調査を開始した。
著者等紹介
道尾秀介[ミチオシュウスケ]
1975年生まれ。2004年、『背の眼』で第五回ホラーサスペンス大賞・特別賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みんと
105
どこからが現実で、どこからが妄想なのか、ミチオとS君の作り出す一種独特な世界を楽しみ、登場人物それぞれの不自然な気持ち悪さに引き、引っ張られて引っ張られて、最後、え?こんな結末?っていう意外性に呆然とする。 後半は、パタパタとたたみかけるようなスピード感があり一気にラストへと向かうわけだが、その結末が予想外の展開で、やはり凄いなと思った。 2013/04/17
あつひめ
93
ミステリーとホラーとファンタジー。いろんな要素が混ざり合わさって最後の砦まで駆け抜けるような物語だった。二重三重に仕掛けられたものを乗り越えながら読む気分。心が清い子供ほど残忍になれる。ただ、一度では作者の仕掛けた罠を見逃している気もする。読み返すうちにその罠を見つけて作者の意図する方向に導かれるのかもしれない。時期をおいてまた再読してよたいと思う。もっと書きたいけど・・・ネタバレしたら大変だから・・・このへんで(笑)2012/10/31
えむ
72
ミチオはS君が自殺していたのを発見。しかし、S君の死体が消える。S君は蜘蛛となってミチオの前に現れる。 中盤まではついていけましたが、後半は話が二転三転。道尾さんらしい展開かもしれないが、終わりは???。正直、この作品お勧めしません。1263。2013/06/02
バネ
69
ちょっとばかり期待し過ぎたかもしれず、後半からラストへのミチオの告白に、イマイチ衝撃を感ぢられなかった。ただ中盤までの展開にはページを捲る手が止まらず、今回最短の2日で読了!ヂャンルに分け辛い不思議な作品だった。2022/06/05
そのぼん
58
全員が歪んだ世界に閉じ込もっていました…。面白かったけど、読み終わった瞬間、鬱な気分になりました。2011/05/17