新潮文庫<br> 狂気の偽装―精神科医の臨床報告

電子版価格
¥638
  • 電書あり

新潮文庫
狂気の偽装―精神科医の臨床報告

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 316p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101305721
  • NDC分類 493.7
  • Cコード C0195

内容説明

現代日本で急増する「心の病」―。マスコミは、新たな社会現象に合わせて乱造された「病名」を喧伝し、悲惨な事件が起これば被害者を「PTSD」だと安易に決めつけ、「心のケア」を気軽に叫ぶ。だが、それは正しい診断なのか?その患者は本当に精神疾患なのか?精神医療の現場を混乱させる「心の病」ブームの実態を、治療の最前線に身を置く現役の臨床医師が撃つ。渾身の告発リポート。

目次

第1章 偽りのPTSD
第2章 トラウマ狂い
第3章 うつ病の黒い犬
第4章 恐るべき子供たち
第5章 オン・ザ・ボーダー
第6章 自傷系・自殺系
第7章 殺人者精神病
第8章 アルファ系衛星の氏族たち
第9章 物質関連障害
第10章 困った人々、故障した脳

著者等紹介

岩波明[イワナミアキラ]
1959(昭和34)年、横浜市生れ。東京大学医学部卒。精神科医。医学博士。東京都立松沢病院を始めとして、多くの精神科医療機関で診療にあたり、東京大学医学部精神医学教室助教授を経て、独ヴュルツブルク大学精神科に留学。現在、昭和大学医学部精神医学教室准教授を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちゃちゃ

16
出版されてから大分たつから、大分変わった面もあるとは思うけれど。でも、本当に悲惨だなあ。簡単に過去のトラウマですべて説明できちゃったらいいのになあ。岩波先生でも、治療がうまくいったってほんどないのだね。治療(?)が病気を生んだり…。わからないってやっぱり恐ろしいな。2017/08/06

Miyako Hongo

16
タイトルと表紙から刑事裁判での責任能力云々の話だと思ってたら違った。巷で言われるトラウマとか人格障害とかを臨床医の立場から解説する本。マスコミとかが流すセンセーショナルなイメージにご立腹の様子。□個人的に誤解してたのがPSID。過去の危機的な状況がフラッシュバックする事象全般それだと思ってたんだけど、どうやら生命の危機・身体的な暴力に関するもののみ、らしい。んでもって経験時点から継続的に発症するらしい。何かの拍子に思い出す、とかはナシなんだそうな。□アル中、パチ依存、ストーカーなんかも精神病の範疇だとか。2017/04/23

マサキ@灯れ松明の火

16
現役の精神科医である著者が語る「心の病」の数々…本当の意味で「心の病」に苦しむ者…マスコミの報道によって、歪められた「病名」の真実…岩波先生の著作は考えさせられることが、多いです。。2012/09/29

musis

15
PTSDという診断は、死を垣間見たものだけに本来されるものだと初めて知った。虐待などに関して多々聞く機会があったために、驚きだった。ケースも多く載っている。本質的な部分で「疾患」とは言えない患者に関しても書かれている。自分の問題を、隠し事なく語ることができるシステムとして病院が最もましだから、そこに頼りたくなってしまうとあった。話をするだけで楽になることが確かにある。臨床心理士のカウンセリングがもう少し安く受けられるようになれば、また違うのかもしれないとふと感じた。2014/06/18

kinkin

10
「心の病」ブームの実態、次々と現れる病名、それを煽るマスコミ。 精神科医からみた現代の精神医療の課題を告発している。2014/01/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/484196
  • ご注意事項