新潮文庫
パンツが見える。―羞恥心の現代史

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  • サイズ 文庫判/ページ数 496p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101214412
  • NDC分類 383.15
  • Cコード C0136

出版社内容情報

パンツが見える――それを喜ぶ男性、恥じらう女性。もちろんこれは本能の問題ではない。「はいてるから見えても恥ずかしくない」と思う少女、「ちぇっ!はいてやがる!」と落胆する男、1930年代ではこれが普通のことだったのだ。和装から洋装へ、腰巻きからズロ ース、パンティへ。下着を巡る羞恥心の劇的な変容を、数多の文献から圧倒的な熱量で考証する。貴方の知的好奇心を刺激する名著。

井上 章一[イノウエ ショウイチ]
著・文・その他

内容説明

パンツが見える―それを喜ぶ男性、恥じらう女性。もちろんこれは本能の問題ではない。「はいてるから見えても恥ずかしくない」と思う少女、「ちぇっ!はいてやがる!」と落胆する男、1930年代ではこれが普通のことだったのだ。和装から洋装へ、腰巻きからズロース、パンティへ。下着を巡る羞恥心の劇的な変容を、数多の文献から圧倒的な熱量で考証する。貴方の知的好奇心を刺激する名著。

目次

1 白木屋ズロース伝説は、こうしてつくられた
2 パンツをはかなかったころの女たち
3 ズロースがきらわれたのは、どうしてか
4 「みだら」な女も、はいていた
5 パンチラをよろこぶ感情が、めばえるまで
6 ズロースからパンティへ
7 くろうと筋からの風俗史
8 1950年代パンチラ革命説

著者等紹介

井上章一[イノウエショウイチ]
1955(昭和30)年、京都府生れ。京都大学大学院修士課程修了。現在、国際日本文化研究センター教授。『つくられた桂離宮神話』でサントリー学芸賞、『南蛮幻想―ユリシーズ伝説と安土城』で芸術選奨文部大臣賞を受賞。専門の建築史・意匠論のほか、美人論、関西文化論など、幅広いジャンルにわたって、日本文化について発言している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鱒子

58
図書館本。真面目に考察 日本のエロス。パンツ以前の1932年 白木屋火災によるパンツ普及は都市伝説だった!。陰部は見えても仕方ないという認識が変わり、その後ズロースが一部のマニアックな視姦の対象へ変遷。1950年代後半 遂に「パンチラ」が生まれる。 著者の熱がスゴくて圧倒されます。非常に面白かったです。2018/06/08

阿部義彦

21
あの美人論、霊柩車、桂離宮、そして、イケズの京都の井上章一さんの代表作?です、この本は興味があったのですが単行本の表紙がアレで凄く買いにくかったのです。やっと読む事ができました。女性が書いた男性下着論が米原万里さんの「パンツの面目ふんどしの沽券」なら、男性の書いた女性下着論がこの本になります。米原さんは何よりもシモの話が中心でしたが、この本ではパンチラはいつから恥ずかしくなったか?という羞恥心と文化論的考察が主軸です。しかし、良く過去の文献から下着が見えたとかなんたらというような事をチェックしましたよね。2018/05/27

入江

19
井上章一さんが語りかけるような文体にやられました。クセになります。ユニークで、妙な偏見を論理的にほじってくれる。私自身ずっと不思議でした、どうして女性の下着が少し見えたくらいで反応してしまうのか。見せパンだから大丈夫、という発言に戸惑ったものです。なるほど、本書から羞恥心の変遷がしつこいくらいによくわかります。女性の下着は白木屋から始まったと思っていたので、第一章から意外の連続。ただし、つくられた価値観と知った上でも、決して解放はされません。パンツの前で、読書は無力でした。2020/10/03

kenitirokikuti

13
文庫落ち。元は2002年の朝日選書である。その後、『ブルマーの社会史―女子体育へのまなざし』(2005)、『ブルマーの謎: 〈女子の身体〉と戦後日本』(2016)など類書が刊行され、ずいぶん見通しが良くなった。『ものと人間の文化史 95 野良着』(2000)や『ものと人間の文化史 114 古着』(2003)などもあげてよいかもしれない。そもそも昭和30年代まで農村には洋装を拒む女性がいたくらいである。パンツを見られると恥ずかしいかどうかって問いが意味を成すのはつい最近の出来事である。2018/05/05

おくてつ

12
「京都ぎらい」の井上章一がこんなのも書いているんだと手にした一冊。 たかが布と思いながらも、気にしてしまうのはやはり見てはいけいないものゆえのチラリズムか。 マンチン分布考に続けて読んでいたので、傍から見ると、ちょっと好きものに見えていたかもしれませんね。 ちょっと、ひと昔前の書きっぷりだなと思ったら、2002年に発刊された本の文庫化だったんですね。2019/06/30

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