出版社内容情報
ショパンはいかにして自分の〈音〉を発見したか。ジョルジュ・サンドとの愛はなぜ破局に終ったのか。――天才作曲家の芸術と人間像。
内容説明
ショパンはいかにして自分の〈音〉を発見したか。彼にとって協奏曲・練習曲・ノクチュルヌ・マズルカなどはどのような意味を持っていたか。ジョルジュ・サンドとの愛を破局に追いやったものは何か。―ロマン波音楽の流れの中でもひときわ異彩を放つショパンの芸術の本質と人間像をさまざまな角度から照らし出す。年譜、作品表のほか、三善晃、中村紘子等６人のコラムを収録。
目次
序章 ショパンの謎
第１章 ワルシャワの天才児
第２章 学習時代
第３章 幸福な青春
第４章 音の発見
第５章 ウィーンの風
第６章 パリの哀歌
第７章 わが悲しみ
第８章 ジョルジュ・サンド
第９章 ノアンとパリの日々
第１０章 破局と終焉
終章 もうひとつの謎
不在としてのショパン（三善晃）
コルトオ先生とショパン（遠山慶子）
ショパンの音（佐藤允彦）
そして音楽だけが残った（若桑みどり）
強靱なリアリスト（中田耕治）
春の朧月夜のような（中村紘子）
略年譜
作品表
1 ～ 1件／全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ🍀
117
「ショパン」若くして輝くものを持ち、世の中の混乱に振り回され、聴衆が求めるものと自分の世界の違いに悩む。比類ない音楽の完璧さの背後に、憂鬱、悲しさ、無気力な姿、孤独感。反面、爽やかさ、清々しさを奏で、命の終わりを知っている秋のような儚い明るさを感じさせる。自らの精神と肉体の変化を音に伝え、我が身の壊れ易さを嘆く。哀しく深遠な、慎ましい作曲家としてあるがままの自分を表現した。輝かしい喝采よりも静かな共感を望んだ。悩み苦しんだ人生は、美しいものとなる。あなたの過去がどうあれ、私にとって、あなたは特別な存在。2021/01/21
ふみすむ
18
カラーの写真や資料を挟みながら、ショパンの生涯を追ってその人間像や作品の変遷を解明している。ロマン派のなかでも特別に知名度があるぶん、ショパンにはロマン派を代表する作曲家という印象を抱いていたが、研究者の間ではロマン派音楽の流れの中でもひときわ異彩を放つ存在として位置づけられているようだ。2015/06/14
barcarola
6
作家や作曲家は作品のみで語られるべきという思いがどこかにあって、この類の書籍を読むことには毎度躊躇してしまう。結局読んでしまうのだが。さて、本書。カラーの写真や図版が豊富で、それらを眺めているだけでも楽しい。よく目にするショパンの肖像画ってドラクロア（本書ではドラクロワと表記）だったんですね。他の作曲家についても読んでみたくなった。2023/05/06
シュウ
6
ショパン の一生をコンパクトにテンポよく。今残された曲が書かれた背景などを知ることができました。そして、失われてしまった曲がどのようなものであったのか200年も昔に少し思いを馳せつつ、発見を待ちたい。2018/05/19
なしきまき
4
子供の頃からずっとショパンが好きだった。モーツァルトやベートーベンの伝記は読んだり映画で見たりしたが、ショパンの伝記は初めて。 初心者には読みやすいし、最後に年表が書いてあるのも後で見返すのにいい。2019/07/16
