小学館の美術書
レンブラント、フェルメールの時代の女性たち―女性像から読み解くオランダ風俗画の魅力

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  • サイズ A5判/ページ数 263p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784096820261
  • NDC分類 723.359
  • Cコード C0070

出版社内容情報

レンブラント、フェルメールらに代表される17世紀オランダ風俗画を、作品に描かれた女性像から読み解き、作品の理解・鑑賞のポイント、魅力についてわかりやすく面白く解説します。宗教色の薄い世俗的市民社会、家庭を基盤とした社会構造、資源のない狭い国土、通商国家としての比類なき繁栄、高齢化社会、家父長制の下での女性の社会進出など、現在の日本の状況と驚くほど似通った当時のオランダ社会のありさまを描いた風俗画は、コツさえわかれば、とても身近で親しみやすいものに見えてきます。神話や聖書の登場人物ではない「ふつうの女性」たちのさまざまな姿を通して、一見すると日常的でありふれた場景に隠された、奥深い意味に迫ります。

尾崎 彰宏[オザキ アキヒロ]
著・文・その他

内容説明

家庭を基盤とした市民社会、資源のない狭い国土、通商国家としての比類なき繁栄、高齢化社会、家父長制の下での女性の社会進出などを背景に成立した17世紀オランダ風俗画。そこに描かれた、手紙、箒、鍵、地図、靴、縫い物、頬杖、居眠り、そして聖女でも悪女でもない「ふつうの女性」たちは、何を語るのか。日常のありふれた場景に隠された、奥深い意味をさぐる。

目次

第1章 男を翻弄する淑女たち
第2章 フェルメールの“恋文”
第3章 乙女を悩ます恋の病
第4章 レンブラントと「女性の力」
第5章 妻の鑑
第6章 悪妻愚母
第7章 活力あふれる老女たち
資料編

著者等紹介

尾崎彰宏[オザキアキヒロ]
1955年、福井県生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程後期退学(美学・西洋美術史専攻)。現在、東北大学大学院文学研究科教授。おもな研究テーマ:ネーデルラント美術(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ27

46
知的な香りがとても好みで、社会人大学講義を聴いている様な雰囲気で読めた。西洋絵画の中でも殊の外オランダ画派が好きなせいもある。7章の語りは何れも新鮮。色々な研究家等のものを読み漁ってきたけれど、こんな切り口もあるのね。当然、レンブラント・フェルメールが中心に登場するけれど、耳にしたこともない画家も大勢登場するし、モノクロとは言え種々の絵画も紹介されて益々興味が募っていく。最終章17Cオランダの老女の社会的立場への検証が殊に面白かった。ジョルジョーネしか知らなかった老女の絵はうわぁ~。2016/04/06

あんこ

3
卒論の参考文献として。15,16世紀ネーデルラント絵画について論じたデ·ヨングのイコノロジー解釈とはまた異なった方向からの見解。17世紀のオランダ絵画は従来の図像解釈には収まらないと思うので、こちらの方が面白く読めた。2013/07/09

菊地

1
当時の風俗・文化・価値観によってオランダ絵画を読み解く一冊。オランダ絵画鑑賞の解像度が上がるいい一冊でした。 表紙にもなっている「窓辺で手紙を読む女」なんかはこの本が出てから今までの間に背景のキューピッドが出るように補修されていたりするので、美術観・解釈・評価を含めて「美術」も動いているんだなぁ、と感じますね。2023/01/21

Mirae

1
17世紀オランダの女性が家や社会とどう結びつき、それがどのように絵画に表れているか。宗教画から風俗画への変遷と、それに絡むアトリビュート解釈の注意点など、面白かった。「絵画は…現実と深くかかわりながらもなお虚構である。」2013/10/14

timeturner

0
参考図版がたくさん挿入されているので、美術館で専門家の話を聞きながら絵を見る楽しさが味わえる。フェルメールの「恋文」に宗教絵画ではなじみ深いテーマ「受胎告知」をあてはめていたのは目うろこ。2013/05/04

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