全集 樋口一葉〈1〉小説編 1

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全集 樋口一葉〈1〉小説編 1

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  • サイズ A5判/ページ数 297p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784093521017
  • NDC分類 918.68
  • Cコード C0393

出版社内容情報

これがなかなか面白い。一葉は処女のまま死んだと推測されているが、生前彼女が、同時代の小説家、半井桃水に熱い思いを寄せていたことはよく知られている。それというのも、彼女に死後刊行された日記(全集第三巻)に、半井桃水に会う場面がたびたび登場し、そこに彼女の心情が吐露されているからである.....。(立花隆『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』187頁、より)

内容説明

生活苦からの脱出を賭けた処女作『闇桜』。だが、暮らし向きはあらたまらず、二転三転、『大つごもり』で才能は開花する。苦闘の習作時代を発表順にたどる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

マカロニ マカロン

5
個人の感想です:B。一葉のデビュー作『闇桜』(1892年、20歳)から始まり、出世作と言われる『うもれ木』、奇跡の14ヶ月の皮切りとなる『おおつごもり』までの12作を掲載。一般的には失敗作と言われているようだが、私は、『闇桜』の隣同士で兄妹のように育った若い二人が恋愛感情を意識するきっかけとなった摩利支天デートでの胸がキュンキュンするようなやり取り、ラストの千代のひとこと等、がとても好きな作品です。この全集は脚注も充実し、なによりも会話文に「 」の記号が付いているため、大変読みやすくなっている。2016/04/25

井月 奎(いづき けい)

5
「琴の音」を読みました。一葉作品ではほとんど見ることのできない「めでたしめでたし」です。この作品あたりから一葉は文筆をお金を稼ぐためよりも、芸術作品として「完全無瑕(かんぜんむか)の一美人をつくらんの外なく」と思い至ったそうであり、その覚悟を決めた一葉の筆はまさに冴えわたる。和歌を自分の文と混然一体として、その味わいがまた絶妙である。漱石や紅葉が漢文を自身のものとしていたように、一葉は三十一文字を自らの血肉としていたのである。樋口一葉はその文をもち永遠の命を得たのだ。彼女が好んだ月の光と同じように。2015/07/11

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