内容説明
自作原稿を焼却したゴーゴリの数奇な生涯。漢語の輸入から日本文学の成熟へ、神話から始まって聖書へ―物語の歴史を考察する。短篇小説の跳躍について。近代の三大小説『ドン・キホーテ』『ボヴァリー夫人』『白痴』を細部まで読み解く要約の妙技。言霊信仰から『悪魔の詩』までの物騒なフィクションの話。小説の誕生から、その構造や手法をめっぽう面白く解説する。小説を通して見ると、人生と世界がつながる。目からうろこの文学講義。
目次
第1講義 我々はみなゴーゴリから、その外套の下からやってきた
第2講義 我々はみな二葉亭四迷から、その「あひゞき」から出てきた
第3講義 舌の先まで出かかった名前―耳に向かって書かれた“声の物語”
第4講義 私をどこかへ連れてって―静かに爆発する短篇小説
第5講義 燃えつきる小説―近代の三大長篇小説を読む(1)セルバンテス『ドン・キホーテ』
第6講義 燃えつきる小説―近代の三大長篇小説を読む(2)フローベール『ボヴァリー夫人』
第7講義 燃えつきる小説―近代の三大長篇小説を読む(3)ドストエフスキー『白痴』
第8講義 物騒なフィクション―ラシュディ『悪魔の詩』と冒涜するフィクション
第9講義 自作『枯葉の中の青い炎』は、どのようにして書かれたか
第10講義 ヘンリー・ジェイムズの『ねじの回転』をどう読み、どうパスティーシュするか
著者等紹介
辻原登[ツジハラノボル]
1945年、和歌山県生まれ。1990年『村の名前』で芥川賞、99年『翔べ麒麟』で読売文学賞、2000年『遊動亭円木』で谷崎潤一郎賞、2005年「枯葉の中の青い炎」で川端康成文学賞、2006年『花はさくら木』で大佛次郎賞、2010年『許されざる者』で毎日芸術賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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