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永遠の故郷―夜

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  • サイズ B6判/ページ数 157p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087748741
  • NDC分類 760.4
  • Cコード C0095

出版社内容情報

不死鳥の如く甦った不世出の批評家の新境地。
音楽の源泉としての詩の分析が手書きの楽譜入りで柔かく精緻に展開され、中原中也や愛する人との回想が語られる。心の歌=リートを読み解く言葉に導かれながら読者は最も美しい心=魂に触れる。

内容説明

詩と死と美を論じ、音楽への愛を語り、世界の誰も書かなかった深みへ至る。不世出の音楽評論家が新境地をひらく記念碑的作品集。

目次

『月の光』
薄暮の夢
メリー・ウイドゥのワルツ
四つの最後の歌
秋の歌
冬の歌
冬の花
二つの愛
歌遙か
春深き
雲の歌と夜の露の歌
『子守唄』と『日曜日』と…

著者等紹介

吉田秀和[ヨシダヒデカズ]
1913年9月23日、東京日本橋生れ。東京大学仏文科卒。現在、水戸芸術館館長。戦後、評論活動を始め『主題と変奏』(1953年)で指導的地位を確立。48年、井口基成、斎藤秀雄らと「子供のための音楽教室」を創設し、後の桐朋学園音楽科設立に参加。57年、「二十世紀音楽研究所」を設立。75年『吉田秀和全集』で大佛次郎賞、「わが国における音楽批評の確立」で90年度朝日賞、『マネの肖像』で92年度読売文学賞受賞。2006年、文化勲章受章。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

139
むかし吉田さんの全集を読んだことがりました。がこの作品は収められておらず、どなたかがかなりほめていたので、私がそのうちに読んだり再読したりする本300冊の中に入れておいたものです。4分冊になっていてしかも5枚のCDが入っている本も別売りされていることを知りました。歌曲についてのエッセイで、原語と日本語訳の詩が掲載されています。曲を聴きながら読むといいのでしょうね。2017/03/26

新地学@児童書病発動中

116
歌曲についてのエッセイ集。私のような詩と音楽が好きな者にはたまらない内容で、歌曲だけではなくそのもとになった詩の内容についても詳しく語られている。例えば、リヒャルト・シュトラウスの「4つの最後の歌」に使われているヘルマン・ヘッセの詩の構成や押韻について説明される。とは言っても過度に分析的にならずに、詩情豊かに音楽と詩について書かれているので、親しみやすい。ただし音楽の美しさに陶酔するだけではなく、美しさの秘密を言葉で探ろうとする面がある。それは音楽の美を血肉化するために、大切なことではないだろうか。2018/09/05

松本直哉

29
美とは目標ではなく、副産物なのだ、という一行を読んだあと何度も反芻している。芸術家の心の奥底に燃える火が彼を駆り立てて創造に向かわせる。美はその過程で生れる搾りかす? あるいは船が過ぎ去った後の航跡? 美のために愛するのなら私を愛さないで下さいというマーラーのリュッケルト歌曲の歌詞を連想した。美のために美を愛するのなら、それはある種のフェティシズムに似た倒錯であるのかもしれない。美の彼方にある、とらえどころのない雲か霧のようなもの、それが著者のいう永遠の故郷だろうか。2021/08/08

Gotoran

13
今年(5月)、逝去された音楽評論の第一人者、吉田秀和氏が紡いだ音楽エッセイ第1弾[他に、薄明、真昼、夕映と続く]。“音楽(歌曲)と文学(詩)を結び付け「歌の心をうたう”;歌曲とその源としての詩の解釈・解説。中原中也、加藤周一、愛する人(初キス)等の回想あり、手書きの楽譜あり、詩[独語と日本語]あり。瑞々しい感性と知性に溢れた柔和な文章に心を奪われた。著者あとがきより、“歌曲とは心の歌にほかならない。私は歌の中に心を感じ、心を見、心を聴く。だが、それを書くのは言葉である。” なんと著者らしい言葉か!2012/08/12

Hepatica nobilis

11
フォーレの「月の光」から始まって、後半はほとんどメーリケーヴォルフの歌曲についてのエッセー。手書きスコアとそのコメントの鋭さ、原詩と作者の日本語訳、これは著者の面目躍如。2018/04/28

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