21世紀 ドストエフスキーがやってくる

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  • サイズ A5判/ページ数 357p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784087748611
  • NDC分類 980.28
  • Cコード C0095

内容説明

いまどきドストエフスキー?知っている人も、知らない人も読み進めれば、ヤメラレない。各界の“ドストエフスキー好き”が、その魅力を余すところなく披露。

目次

第1部(対談 多重人格としてのドストエフスキー(島田雅彦;金原ひとみ)
インタビュー 『罪と罰』に呼ばれて(袋正)
トルストイとドストエフスキー(加賀乙彦)
さまざまな声のカーニバル―ドストエフスキー研究と批評の流れを瞥見する(沼野充義)
ドストエフスキイの時代(小森陽一)
笑えなかったドストエフスキー(浦雅春)
黒澤明の『白痴』(四方田犬彦)
『カラキョウ』超局所的読み比べ)
第2部(対談 ドストエフスキーが21世紀に残したもの(大江健三郎;沼野充義)
インタビュー メタテクストとしてのドストエフスキー(ボリス・アクーニン)
インタビュー 文学という劇薬―ドストエフスキーをゴム手袋をはめて読む?(ウラジーミル・ソローキン)
現代ロシア版「ドストエフスキーごっこ」(望月哲男)
世界のなかのドストエフスキー ラテンアメリカ(野谷文昭)
世界のなかのドストエフスキー アメリカ(青山南)
世界のなかのドストエフスキー 中国(白井澄世)
世界のなかのドストエフスキー ポスト/植民地(中村和恵))
第3部(対談 二つの「ドストエフスキー」の間に(加賀乙彦;亀山郁夫)
二〇〇六年の『罪と罰』(井桁貞義)
「赤い蜘蛛」と「子供」(斎藤環)
ドストエフスキーと正教(安岡治子)
「厚い雑誌(トールストイ・ジュルナール)」の興亡―一九世紀の雑誌読者(貝澤哉)
『罪と罰』メディア・リテラシーの練習問題(番場俊)
てんかんと火事(越野剛)
『白痴』の愛と性とユートピア(草野慶子)
偉大な作家の名もなき日常―同時代人の回想から(粕谷典子)
ナボコフのドストエフスキー嫌い(秋草俊一郎)
現代用語としてのドストエフスキー(桜井厚二)
ドストエフスキー翻訳文献考(榊原貴教)
ある日のドストエフスキー―宣教師ニコライに会う(中村健之介))

著者等紹介

大江健三郎[オオエケンザブロウ]
作家。35年1月31日愛媛生(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

翔亀

35
44名の研究者、作家による論集。比較的若手の論考を中心に作家論/作品論/映画論/文化論/翻訳論/エッセイ等がバライエティ豊かで、少しずつ読み進めたがかなり楽しめた。やはり大江健三郎の対談(相手は沼野充義)が論争的で、埴谷雄高らの哲学的読みに対するアンチテーゼを展開しており、罪と罰はラストシーンから出発した小説にすべきだったとか、スタヴローギンは誇大化されていてヴェルホヴェンスキこそ独創的(悪霊)とか、ムィシキンよりラゴージン(!)の方が面白い(白痴)とか刺激的。また、アクーニンとソローキンも登場!好企画 2014/09/27

i-miya

35
2010.07.24 (執筆者紹介) 青山南、ボリス・アクーニン=若い読者はまだ読むには早い、入るときは賭博者がいい。(略年譜=井桁貞義・桜井厚二編) 1821、生まれる。1838、工兵学校入学。1839、父農民に暗殺される。◎多重人格ドストエフスキー(=島田雅彦・金原ひとみ) ○憑依体質。ゴッドコンプレックスについて書く。ロシア人の魂・気質の問題。魂の具体的カタログ作り。わたし、という人物。○スメルジャコフが「イケメン」だったら。 二十重人格?を統合する人物が「わたし」?2010/07/25

またの名

13
「丸い形をした楕円のテーブル」という円形なのか楕円なのか不明な描写を問われても訂正しようとしなかった、ロシア語力に問題アリの作家ドスト。お世辞にも名文とは言えないのに多くの読者を惹きつける世界の魅力を、井上ひさし、中村文則、多和田葉子、角田光代、島田雅彦、ソローキンといった小説家に批評家や研究者らが語る。本書自体もどっしり物質感を帯びつつ多様な読み方やネタに溢れたそれぞれの語り手の声が響き合い、各々の思考を多弁に展開するドスト作品の登場人物達の多声性を再現したような雰囲気。これほどのドスト本は滅多にない。2018/12/15

atomos

5
○大江×沼野の対談を読んでると、リチャード・ピーヴィア、ラリーサ・ヴォロホンスキー夫妻によるドストエフスキー作品の英訳を読んでみたくなる。無茶だけど。○ジョーゼフ・フランクのドストエフスキー伝も気になる。○ソローキン兄貴のインタビューは、ねじくれていて、最高に面白い。2012/09/23

chiaki

1
正直に言うと斜め読みしました……興味のあるところとか、好きな作家さんのところだけちゃんと読んだ。まず島田雅彦・金原ひとみの対談。三人称かつ神視点の論議は作家ならではだなと思った。そして井桁貞義「2006年の『罪と罰』」。罪と罰が後世の様々なメディアに影響を与えていて、デスノートとかリバーズエッジとかを挙げる学生がいて、というくだり、羨ましいなーと思う。そんな双方向授業、とるしかないじゃん。清水義範がドスト作品を「堅くて巨大な雷おこし」と言っているのは同意しかない。『罪と罰』、しゃぶりついていくかあ〜。2022/02/23

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