内容説明
「いったいおばあさんは何が楽しくていきているのかしら」と話していた私がなんと還暦を迎えた。隣に住む同い年の静さんは、ひょんなことから、大学生の男の子からデートに誘われる。のろけ話を聞かされる私の心中は穏やかではない。はしたないと思いながら、妬んでいる自分がいるのだ。そんなとき、私にもお見合い話が持ち上がる。女は60歳からが花。いまや、60歳は恋愛適齢期。
著者等紹介
佐藤愛子[サトウアイコ]
1923年11月5日大阪生まれ。甲南高女卒。処女作「愛子」。69年『戦いすんで日が暮れて』で直木賞、79年『幸福の絵』で女流文学賞、2000年『血脈』で菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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里季
58
あらあら、お隣の奥様ったら。そんなことを口になさるなんて、聞いてる私の方が恥ずかしくなってしまうではありませんか。いやいやまいった。愛子先生が書いた60歳ってどんなのかしら、と思って読んだけど、私も60歳だけど、引いた。もしも今男性を好きになるとしてもこういう恋愛にはならないと思うな、私は。うん、なりたくないよ。2018/04/25
baba
27
佐藤愛子さんの名前にひかれて手にする。生々しい内容でしかも30年前という女性は慎ましくと考えられていた時代に様々に悩める女性を描きビックリしました。でも佐藤さんならではのユーモアたっぷり、楽しめました。2019/11/12
ロマンチッカーnao
19
凄かった。何が凄いって、この作品が1983年の作品だってところ、今から約40年前に60代の女性の恋愛について書かれている。しかも性愛込み。今から40年前の言えば僕はまだ中学生。その頃の60代といえば、もう結構なお年寄りな感じだったと思うけど。その時代に、若い男に熱を上げて、体ごとぶつかっていく静さん。70代の人との再婚に悩む勝代さん。最後の思い出だと思えば何だって出来る。人生精一杯楽しもうっていう静さん。今なら受け入れられる考えかもしれないけど。この時代にこの作品を書いた佐藤愛子さんって飛ぶ抜けてますね。2021/09/07
roomy
18
普段ならきっと読まない本だけど手持ちの積読本がなくなったのでライブラリーで。静にはひいてしまった。恋する気持ちはわからなくもないけどギラギラ具合が苦手だった。それでも読みやすかったし読後感も悪くないです。2015/02/17
まるぷー
17
約40年前の作品。共に60歳の女性、静さんと勝代さんが主人公。孫のような大学生に惹かれ家を出て押し掛ける静。その話を聞かされる隣家の勝代は呆れると共に穏やかではない。一方、勝代も同級生の兄を紹介され結婚を考える。しょぼくれた夫のいる静、未亡人の勝代、60歳になってもまだまだと血気盛んに。肉体的には別にして人生90年近い今の時代、精神的に若くありたいものです。というより、60歳はまだ若いよねと思いたい。男性女性を問わずに(((^^;)2019/06/21