講談社現代新書<br> 今を生きる思想 宇沢弘文―新たなる資本主義の道を求めて

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講談社現代新書
今を生きる思想 宇沢弘文―新たなる資本主義の道を求めて

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  • サイズ 新書判/ページ数 120p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784065300138
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0233

出版社内容情報

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約100ページで教養をイッキ読み!
現代新書の新シリーズ「現代新書100(ハンドレッド)」刊行開始!!

1:それは、どんな思想なのか(概論)
2:なぜ、その思想が生まれたのか(時代背景)
3:なぜ、その思想が今こそ読まれるべきなのか(現在への応用)

テーマを上記の3点に絞り、本文100ページ+αでコンパクトにまとめた、
「一気に読める教養新書」です!
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 経済学者・宇沢弘文は、半世紀も先取りして、行き過ぎた市場原理主義を是正するための、新たな経済学づくりに挑んだ。すべての人々の人間的尊厳が守られ、魂の自立が保たれ、市民的権利が最大限に享受できる。そのような社会を支える経済体制を実現するため、「社会的共通資本の経済学」を構築した。
 この小著では、経済学の専門的な話はできるだけ避け、宇沢が「社会的共通資本」という概念をつくりだした経緯や思想的な背景に焦点をあててみたい。宇沢が環境問題の研究を始めたのは半世紀も前であり、地球温暖化の問題に取り組んだのは30年あまり前からだった。先見の明というより、問題を見定める際の明確な基準、つまり、思想があったからこそ、これほど早く問題の所在に気づくことができたのである。

 ロシアがウクライナに侵略して戦争が始まったとき、欧州のある金融機関が、武器を製造する企業への投資をESG投資に分類し直すという動きがあった。ふつう、ESG投資家は人道主義の観点から、軍需産業への投資には抑制的だ。しかし、アメリカなどがウクライナに武器を供与する現実を目の当たりにして、「防衛産業への投資は民主主義や人権を守るうえで重要である」と態度を豹変させたのである。
 ESGやSDGsに先駆けて「持続可能な社会」の条件を探求した宇沢なら、このようなESG投資を認めることは絶対にあり得ない。思想が許さないからだ。「ステークホルダー資本主義」「ESG投資」「SDGs」を叫んでみたところで、一本筋の通った思想がなければ、結局は換骨奪胎され、より歪な形で市場原理主義に回収されてしまうのがオチだ。
 資本主義見直しの潮流が始まった直後、世界はコロナ・パンデミックに襲われ、ウクライナの戦争に直面した。危機に危機が折り重なって、社会は混沌の度を深めている。
宇沢の思想に共鳴するかしないかが問題なのではない。生涯にわたって資本主義を問いつづけた経済学者の思考の軌跡は、かならずや混沌から抜け出すヒントを与えるはずである。(はじめに より)


内容説明

不安定な資本主義の世界で万人が幸福になる道を探る。

目次

はじめに 「資本主義」という問い
第1章 生い立ち
第2章 行動科学の申し子
第3章 ベトナム戦争とアメリカ経済学
第4章 原点としての水俣病―自然と人間の経済学へ
第5章 社会的共通資本とリベラリズム
終章 SHADOWの思想

著者等紹介

佐々木実[ササキミノル]
1966年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部を卒業後、1991年に日本経済新聞社に入社。1995年に退社し、フリーランスのジャーナリストとして活動中。2013年に出版した『市場と権力「改革」に憑かれた経済学者の肖像』(現・講談社文庫)で第45回大宅壮一ノンフィクション賞、第12回新潮ドキュメント賞をダブル受賞。宇沢弘文に師事し、彼の生涯を描いた『資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界』(小社刊)で第6回城山三郎賞、第19回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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KAZOO

99
宇沢先生に関する本で、以前に同じ著者が書かれた大冊の「資本主義と闘った男」の縮刷版のような気がします。このような本で宇沢先生の生涯や業績の一端が広く知れわたることになるのは大賛成です。私の学生時代に先生の謦咳に接したことがあり、私も当時は学究の徒を目指していましたがかなり頭の違いを知らされた覚えがあります。当時宇沢先生と根岸隆先生が日本人ではノーベル経済学賞に一番近いとうわさされていました。「社会的共通資本」という考え方は私も今でも重要だと思っています。2022/11/10

やいっち

79
小著だが中身の濃い本だった。書店で衝動買い。日本でもさすがに新自由主義や市場至上主義の経済は行き詰まりを示し、失われた30年のドツボから脱出すべく若手の経済学者らが台頭してきた。吾輩も何冊か読んできた。その極めつけであり先駆者が宇沢弘文なる傑出した経済学者だ。2022/12/20

skunk_c

70
コンパクトな評伝。戦争体験から一時社会主義経済に傾倒していたこと、近代経済学者として渡米した後の交流と活動、日本に戻ってから公害問題に関わる中で、「社会的共通資本」という重要な概念を生み出した宇沢の業績が語られる。途中簡潔な経済学の説明もあり、読みやすい。また、帰日後の宇沢に対し、アメリカのマスメディアから「極左」のレッテル貼りが行われていたことは初めて知った。『自動車の社会的費用』『近代経済学の再検討』を学生時代に読んで、いわゆる近代経済学の胡散臭さを知り大いに感銘を受けたが、久々に再読したくなった。2023/05/20

樋口佳之

55
孤高であることを全く恐れない方だったのかな。成田空港問題にコミットするなんてのは、学者としての業績上は評価されず、調停である以上、双方からの非難も受けるのわかっていただろう。Wikiにあるゼミ生が0の時があるとか本当かしらん。師の偉大さは志を継ぐ者によって示されるとすると、そこに足りないものもあったのではと読みました。2023/09/29

Sam

55
評伝として圧倒的な内容だった「資本主義と闘った男」のエッセンスをまとめたような一冊。ボリューム的にも5分の1という小著ではあるが、著者が伝えたいことはしっかりと盛り込まれているように思う。僭越な言い方ではあるけども良い復習となりました。本書によって宇沢先生の業績はもちろん、「人間の学」として経済学を再興させんとした気骨溢れる人生、そしていまの世の中を先取りした思想である「社会的共通資本」について広く知ってもらうことができたら素晴らしいことだと思う。2022/11/30

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