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出版社内容情報
浅田 秀樹[アサダ ヒデキ]
著・文・その他
内容説明
3つの天体の運動は一般化できるのか?2つの天体の運動は、ニュートンの万有引力の法則で知ることができる。しかし、それが3つになると!?オイラーやラグランジュによって、特殊な条件下での「三体問題」の解は発見されたが、その一般解を見つけることはできなかった…。その数世紀にわたる未解決問題と科学者たちとの格闘は、のちにカオス理論やさまざまな天文学へと発展していく!
目次
1章 解ける方程式
2章 解けない方程式
3章 ケプラーの法則とニュートンの万有引力
4章 三つの天体に対する解を探して
5章 一般解とはなにか
6章 つわものどもが夢のあと
7章 三つの天体に対する新しい解が見つかる
8章 一般相対性理論の登場
9章 一般相対性理論の効果を入れた三つの天体のユニークな軌道
10章 天体の軌道を精密に測る
著者等紹介
浅田秀樹[アサダヒデキ]
1968年、京都府生まれ。弘前大学大学院理工学研究科教授。京都大学理学部卒業、大阪大学大学院理学研究科博士後期課程修了。博士(理学)。京都大学基礎物理学研究所ポスドク研究員、弘前大学理工学部助手、准教授を経て現職。2003年、パリ天体物理学研究所にて主に重力波に関する在外研究(1年間)。専門分野は、一般相対性理論、重力理論、理論宇宙物理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まーくん
98
「三体問題」というコトバは古典的難問の代表例として科学者あるいは科学に興味がある人だけがこっそり使っていたが、あるSF小説の核心的な部分にて取り上げられたため、一般の人の目に触れてしまった…と前書きにある。この難問について、方程式を解くという意味から解き起こし、ケプラーの法則、ニュートン力学と進み、三体問題は何に対する方程式なのか?オイラーの直線解、ラグランジュの正三角解…<段々わからなくなってくる(笑>一般解への挑戦、ハミルトン力学理論…<もう殆どわからない>そして天体力学と数学が混然一体となっていく。2021/04/18
KAZOO
93
天体物理の未解決の問題なのですね。SFの「三体」シリーズは読んでみたのでそのもとになるのがこのような問題であったとは知りませんでした。この本では、ことばの説明があってそこから始まって方程式の解法があり、「一体問題」「二体問題」とあり文科系のわたしにも非常にわかりやすい説明でした。いい本だと思いました。2024/02/20
まーくん
86
(再読)SF小説『三体』のおかげで「三体問題」という用語が世間の目に触れた。このコトバは業界でヒッソリと使われていたらしい。10年程前、ヒョンナことから「解けないことで有名な三体問題」という言葉に出くわし「エッ!!それ何?」と思ったのでした。そんなこんなで『三体』は是非読みたいのですが、文庫で出るだろう待ってるうちに今日に至りました。先日、新宿の大型書店で本を眺めてると「オッ!これは読んだことがあるぞ」とパラパラ頁を捲ってみたら全く記憶にない内容。きっと続編が出たに違いないと購入。早速、読み始めたが⇒ 2023/12/22
榊原 香織
62
中華SF”三体”読んで以来気になってました。 方程式はムズい(高校レベルに抑えてあるそうだけど)のでスルー。 2つの天体の運動は式で表せられるけど、3つになるとそもそも式が解けない(特別な条件の場合だけ解がある)という問題2022/07/03
ちくわん
21
2021年3月の本。久しぶりのブルーバックス。「万有引力により互いに影響を及ぼしあう三つの天体の位置の変化を時間だけを変数として関数で表す方法は未だ見つかっていない」ということか?しかし特殊なケースの応用で、すでにノーベル賞(物理学)をこのところ受賞しているということか?2022/10/09