出版社内容情報
大堀 精一[オオホリ セイイチ]
著・文・その他
内容説明
相手に伝わる文章は、どうすれば書けるのか。「文章を書く」ことの意味とは何か―。論理的な文章は「異和感」から出発すると訴える著者が長年にわたる教育現場での経験に裏づけられた「書く」ことと論理的思考、そしてその相関を鍛え、自分の思いや考えを的確に他者に届ける文章の書き方を解説。「自分の言葉を持ってリアルに生きる」ための基本的教養、小論文執筆法を伝授する実戦型文章読本。
目次
序章 「書く」ことの始まり
第1章 異和感から始まる論理的思考―論点と根拠(社会を読み解くテキストとして;「書く」ことの始まりは常識への「異和感」 ほか)
第2章 社会問題と向き合う方法―比較と普遍化(「当事者」として社会につながる;あるべき社会をイメージする)
第3章 社会通念への懐疑―抽象化と他者のまなざし(社会通念という拘束;近代という「物語」)
第4章 日常の中のやわらかな論理―自由と寛容性(時代の息苦しさに抗して;「書く」ことの先で出あう自由)
著者等紹介
大堀精一[オオホリセイイチ]
1948年生まれ。北海道小樽市出身。北海道大学文学部卒。学研に入社以来、高校生を対象にした雑誌・進路情報・小論文などの分野で仕事を続けてきた。現在は月刊情報誌「学研・進学情報」監修、小論文入試問題分析プロジェクトチーム編集長を兼務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Akito Yoshiue
11
小論文の書き方だけてなく、書く意味から説き起こす。小論文は必要だがモチベーションが上がらないという生徒には非常に参考になるだろう。2019/07/15
本命@ふまにたす
2
「小論文」に関する一冊。書き方のテクニック的なものの羅列ではなく、あくまでもどのような観点からまとめていくべきか、ということを論じている。そして「小論文」の意義に関して常に意識されているのが最大の特徴のように思う。2023/03/03
hatohebi
2
著者は学研の小論文講座で長年講師を勤め、毎年出る各大学の入試解説集の解答分析作成にも携わっている。何度か講義を聞いたことがあり、内容は本書とも重なるが、小論文にかける思いは本書からより強く伝わってきた。もやもやした常識への異和感を逆接(でも~)を梃子に言語化し、要約によって著者と認識を共有し、具体例を挙げることで現実から浮いた思考にならないようにする。小論文の鉄則(形式)が、論理的に考える過程で必然のものであることを明らかにしている。2020/02/09
金こんにゃく
2
メチャクチャ良い本。単に小論文の書き方についてのハウツー本ではなく、身近な問題を考える上での有用なヒントを与えてくれる一冊。やっぱ文章としてアウトプットしないとダメだなぁ。2019/05/06
良さん
2
小論文の書き方というと、ハウツーに重点が置かれる本が多い中で、この書は、世の中に対する「異和感」から出発せよ、と言うとおり、ものの見方考え方の内容面と、思考の進め方の論理構築の面を重視している。 【心に残った言葉】「書く」ことを通じて論理的思考が生まれ、論理的思考が普遍性のある言葉を探り当てる。それによってはじめて私たちは現実に飲まれることを拒み、自分の異和感を他の人に届けることが可能になる。…私はそれを「自分の言葉を持ってリアルに生きる」と言っている。(246頁)2018/07/27