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出版社内容情報
織田 一朗[オダ イチロウ]
著・文・その他
内容説明
人類が「時間」の存在に気づいたのは、いまから5000年以上も前のことです。太陽の動きを利用した「日時計」から始まり、周期を人工的につくりだす「機械式時計」の誕生、精度に革命を起こした「クオーツ時計」、そして、時間の概念を変えた「原子時計」まで。時代の最先端技術がつぎ込まれた時計の歴史を余すところなく解説します。
目次
第1章 時間の発見(人類初の時計は日時計;場所を選ばない水時計 ほか)
第2章 機械式時計の発明(世界初の機械式時計;なぜ高い費用で製作できたのか? ほか)
第3章 腕時計の誕生(クロックとウオッチは別物;ヒゲゼンマイの発明 ほか)
第4章 電子技術で誕生したクオーツ、デジタル時計(画期的だった音叉時計;クオーツ時計の実用化 ほか)
第5章 超高精度時計と未来(ラジオ放送の時報を活用;標準時刻電波を腕で受信 ほか)
著者等紹介
織田一朗[オダイチロウ]
時の研究家。山口大学時間学研究所客員教授。1947年、石川県金沢市生まれ。1971年、慶應義塾大学法学部法律学科卒業。株式会社服部時計店(SEIKO時計の販売会社)入社。営業・宣伝・広報・総務などを経験し、執筆、ラジオ出演などを行う。1997年に独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
265
まあまあ。時間と人類の歴史のかかわりをざっくり書いてくれているんだけど、当然ながらそれは「時計と人間とのかかわり」であり、機械式やクオーツ式など、主な時計のメカニズムの説明がつづく。図版は多くて丁寧なんだけど、それでも歯車の部分はわかりにくい。動画だときっとわかりやすいんだろう。あと、最後の最後に書かれていた、「六十進法」が将来的に変わっていくんじゃないかという著者の予測が一番おもしろかったり。2018/01/13
KAZOO
109
時計というと、最近では電波時計ということでほとんど狂いもせずに時刻を示してくれます。その時計を昔の歴史から繙いて最近の状況までを元服部時計店に勤めていた方がわかりやすく説明してくれます。機械式の値段の高い腕時計が流行っているようですが、私は太陽電池式の腕時計を数十年愛用しています。時たま都会に出る私にとってはそんなに正確な時計は必要なくなってきていることを実感しています。2024/02/27
あすなろ
64
僕は無類の腕時計マニアである。かと言って理系でもないので、メカニズムの箇所はなぞらえられるのみ。マリーアントワネットとブレゲの懐中時計から始まったミニマム時計メカニズムの歴史は実に興味深い。クオーツショック・デジタル化等改めて歴史を知る。衝撃が以外に多い腕時計内部構造や発展系のG-SHOCKの凄さを知る。果ては国内ではハト時計が有名だが海外ではカッコウ時計が伝わって鳥が変わった等の雑学も面白い。当時メジャーな鳥ではなく、カッコウは漢字で閑古鳥と書くから縁起悪いとのこと。なかなか面白くザッと読了。2019/05/26
ゲオルギオ・ハーン
32
時計の歴史について、古代から現代まで東アジアと欧米を中心に解説した一冊。ただ、歴史を書くのではなく構造も含めて紹介しており、中世あたりまではなんとなく理解しながら読めるが、現代ともなると専門性が高くてざっくりと仕組みを読むのが精一杯だった。最初は水や砂の流れを利用した大まかな計測(漏刻の場合、1日あたり20秒の誤差)が今や原子の振動数を利用している(小型のものですら3000年に1秒程度の誤差)というのはとてつもない進化だととても驚かされる。2022/04/05
テイネハイランド
25
図書館本。時計の歴史をその構造を含め大まかに解説した本です。情報量が多くて細かな時計の構造などについては理解が及ばない箇所もあったので若干消化不良気味でしたが、面白いエピソードも数々あったので一読の価値はあると思いました。著者が元々服部時計店(SEIKO)で働いていただけに、クオーツ時計について語った第4章は特に面白く読めました。機械式時計の脱進機構(貯めたエネルギーを徐々に開放して時計を回す)と調速機構(周期的に時計を回すように制御する)については別の本を読んで詳しく知りたいと思います。2024/05/08