出版社内容情報
湊 かなえ[ミナト カナエ]
著・文・その他
内容説明
深瀬和久は平凡なサラリーマン。自宅の近所にある“クローバー・コーヒー”に通うことが唯一の楽しみだ。そんな穏やかな生活が、越智美穂子との出会いにより華やぎ始める。ある日、彼女のもとへ『深瀬和久は人殺しだ』と書かれた告発文が届く。深瀬は懊悩する。遂にあのことを打ち明ける時がきたのか―と。
著者等紹介
湊かなえ[ミナトカナエ]
1973年広島県生まれ。2007年第29回小説推理新人賞を「聖職者」で受賞。’08年、受賞作が収録された『告白』を刊行。同作で週刊文春’08年ミステリーベスト10の第1位、’09年に第6回本屋大賞を受賞する。’12年、「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。’16年には『ユートピア』で第29回山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カメ吉
778
まさかの結末でした。まさに最後の1行って感じでした。最初は何かよく分からない作品かな?って思いましたが段々と引き込まれてしまいました。予想以上の内容で面白かった。あと『クローバー・コーヒー』のコーヒーの描写がたまりませんでした!2017/03/29
hit4papa
735
親友の事故死の責任という十字架を背負い続けている主人公。一通の手紙から、親友のこれまでをひもとき始めます。親友の事を何も知らなかったと悟った主人公は、彼の生い立ちを知るうちに辛い現実に向き合います。この無色透明感のあるキャラクター設定が良いですね。事故死であることは確実であり、はたしてそこに謎が入り込む余地があるのかが興味の中心。主人公と恋人の関係については想定の範囲内で、おやおや、面白味のない話じゃないの...と思っていたら最後の一行でやられてしまいました。finishing strokeは大好物。2019/06/08
ehirano1
725
最後は、“そうかなぁ(違うんじゃない?)・・・・・”というのが当方の感想でしたが、解説を読んで、タイトルの意味と隠されていた意味に(良い意味で)唯々脱帽するばかり。こんなに奥が深いとは・・・・・。2019/02/09
ユーさん
659
湊かなえさんは、初めて読みました。「意外な繋がり」「意外な展開」。解説の最後、太字部分に納得。その先は、どうなっていくのか、想像するしかないですね。2017/06/07
Atsushi
541
ミステリー好きの家内に薦められた作品。テレビドラマ化もされているそうです。学生時代にゼミの友人で行った旅行。そこで起こった不幸な出来事を巡って物語は展開します。第一章から終章までの六章から構成されていますが、第四章まではミステリー独特の「ハラハラドキドキ感」は全くなく淡々とした内容です。ところが、五章と終章でまさかの展開。帯にあるように「ラスト1行」でそれまでのモヤモヤ感が一気に解消されました。まさに「リバース(溯行)」でした。深瀬はこれからどんな気持ちで美穂子と付き合っていくのでしょうか。 2017/04/27