出版社内容情報
神宮はいかに日本美の象徴となったのか。「日本のパルテノン」として世界的評価を受けた建物に投影された民族意識、建築論を読解する
節ひとつない檜材で20年ごとに建て替えられてきた伊勢神宮。その清浄で質素で力強い姿は、日本人の魂の原風景である。伊勢神宮こそが、「日本古来」の建築の原型であるとの主張がなされてきた。明治以降、国家神道となったことにより、その言説はますます強くなった。現代でさえ、古代住居の復元時に伊勢神宮にその形を求めることもある。江戸から現代に書かれた資料を徹底的に読みとき、神宮の本当の姿を解明する。
内容説明
節ひとつない桧材による伊勢神宮の神殿。その清浄で質素な姿は、仏教伝来以前の建築の原型であると主張されてきた。宣長、伊東忠太、タウト、天心、磯崎新…。「天地根元造」説、「南方」説、「長江」説、「雲南」説…。多くの研究者が、変化する時代、文化、社会状況の中で多様な説を展開した。徹底的な資料の解読で、神宮の本当の姿に肉薄する。
目次
第1章 雲ガ畑にそびえる千木
第2章 「天地根元宮造」の二百年
第3章 世界のなかの伊勢神宮
第4章 雲南、南洋、ツングース
第5章 黄河か長江か
第6章 弥生の神殿がうかぶまで
第7章 池上曾根の光と影
著者等紹介
井上章一[イノウエショウイチ]
1955年生まれ。京都大学工学部建築学科卒業。同大学院修士課程修了。現在、国際日本文化研究センター教授。建築史家、評論家。著書に『つくられた桂離宮神話』(サントリー学芸賞)、『南蛮幻想』(芸術選奨文部大臣賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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紅林 健志