講談社現代新書<br> “軍”の中国史

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講談社現代新書
“軍”の中国史

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  • サイズ 新書判/ページ数 240p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062884099
  • NDC分類 392.22
  • Cコード C0222

出版社内容情報

<軍>がわかれば中国がわかる。<軍>と<政>、4000年の葛藤の歴史が暴き出す、本当の中国「よい鉄は釘にならず、よい人は兵にはならない」、中国で古来、そう言い習わされてきました。儒教の教えを国是とする「文の国」では、大昔から軍隊は軽蔑の対象でしかなかったのです。

 とは言え、島国日本とは違って常に北方の遊牧民族の脅威にさらされていた中国は、軍隊を蔑ろにするわけにも行きません。軍が弱くなれば、あっという間に異民族に征服されてしまうからです。この脅威に、近代における日本の侵略に至るまで、中国は長い間さらされ続けていました。<軍>という「必要悪」といかにうまく付き合うか、このジレンマが、じつは中国史を背後から動かす、もっとも重要なファクターだったのです。

 現在、中国の示威的な行動が、国際社会との軋轢を生み出しています。なぜ中国がこのような理不尽な行動に出るのか、われわれには不可解なばかりですが、著者の見立てでは、これは習近平をトップとする現在の中国の基盤の脆弱さの表れだということです。戦前の関東軍ではありませんが、軍部の暴走を指導部が押さえることができず、追認している可能性さえもあるのです。仮に指導部が軍に対して強硬手段に出ると、暴力の刃は逆に自分たちに向けられるかも知れない。前近代の皇帝たちと同じジレンマに、じつは現代中国も悩まされており、指導部は、非常に危ういバランスの上に立った舵取りを強いられているのです。

<軍>をキーワードに、古代から現代にいたる長い中国の歴史を繙くことによって、中国の知られざる「本質」が解き明かされてゆきます。

はじめに
第一章 古代中世における「兵・財・民」
第二章 近世の新潮流
第三章 近代「軍」のめばえ
第四章 民国時代の試行錯誤
第五章 人民共和国への道
おわりに
参考文献一覧
本書関連事項・人物年表
あとがき


澁谷 由里[シブタニ ユリ]
著・文・その他

内容説明

“軍”がわかれば中国がわかる。“軍”と“政”―4000年の葛藤の歴史が暴き出す、赤裸々な中国の姿!!

目次

第1章 古代中世における「兵・財・民」(「兵農一致」のジレンマ;「兵農分離」という出口;府兵制とその挫折)
第2章 近世の新潮流(北宋時代の特色;遼から金へ、北宋から南宋へ;モンゴルがもたらしたもの;明代の衛所制;清代の八旗制度)
第3章 近代「軍」のめばえ(白蓮教徒の乱;太平天国の乱;洋務運動;日清戦争;袁世凱の擡頭)
第4章 民国時代の試行錯誤(「軍閥」としての袁世凱;袁世凱の没後(一九一六年以降)
第一次大戦参戦問題と国政の空転
「かね」でかわれた大総統位
「基督将軍」〓(ふう)玉祥
「軍閥」時代のおわり)
第5章 人民共和国への道(国民革命軍;共産党の軍隊)

著者等紹介

澁谷由里[シブタニユリ]
京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。富山大学人文学部教授を経て、帝京大学文学部教授。専門は中国近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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崩紫サロメ

30
張作霖をはじめとする軍閥研究者である著者による<軍>の通史。注もないため、前近代の部分のざっくりした切り口についての評価は難しい。しかし、近現代部分は秀逸で、著者の本を初めて読む人も引き込まれるのではないか。軍閥連合と国共合作を死ぬ間際まで天秤にかけていた「国父」孫文。熱血クリスチャン将軍の馮玉祥。蒋介石と毛沢東にとって正統性の確立のために軍はどのようなものであったのか。前著と重複する部分も多くなるが、やはり近代史部分のみで刊行してもよかったのではないかと思う。2022/10/01

skunk_c

24
元々は中国の軍閥について書き始められたそうだが、古代にまで視野を広げたことによって、ある意味コンパクトな中国通史にもなっている。近現代において中国が国軍を持っていないことは知っていたが、古代から中世の軍のあり方も興味深く、曹操の兵戸制が転換点だったという指摘も頷ける。そしてやはり面白かったのは近代、特に孫文が臨時総統を袁世凱に渡すのは、そもそも国民党に軍事力という実力を伴う権力がなかったという、よく考えれば真っ当な指摘、そしてその後の「軍閥」で括られる政治の集合離散の様相が克明に記されているのが嬉しい。2017/10/23

ちくわん

16
2017年1月の本。「軍閥」を説明せんがため、中国史を語り、そのため何が何だかわからなくなった意欲作。中国は古代から様々な制度が確立していた分、後から学ぶ我々は遡れば遡るほど膨大な説明を要する、よって理解が困難になる。さて、どうやって切り崩していこうか、と考えさせられた一冊であった。2019/12/29

ピオリーヌ

12
軍閥史の専門家だけあって、段祺瑞、馮国璋、張作霖をはじめとした袁世凱没後の大総統職をめぐる争いの記述が詳しい。またほとんどの時代で私兵が中心であって、公の軍隊を保持した経験が少ないのが中国の特徴であるとする導入が巧みである。無学な少年兵から叩き上げられ、キリスト教と共和制をあつく信奉する馮玉祥の生き様も印象的。ただ残念なのは、全体的にひらがなが多くてとても読みにくいこと。「どこからしょうじるのだろうか」「そのすべてがふくまれるとかんがえるべきだろう」何故?作者の意図?講談社現代新書の方針?2020/08/30

Kazuo

10
中国の軍事史は「ほとんどの時代で、『私兵』が中心であって、『おおやけ』の軍隊を保持した経験が浅い中国では、現在でも、軍隊による国際的・法的逸脱に対する感覚が、少なくとも日本とは異なる。このことを念頭に置いておくべきである。」というのが、本書の結論の一つ。「抗日戦勝利」をナショナリズムの中心点に置いていた中国が、「一帯一路」スローガンを掲げたことにより、日本は戦略を練り直す時間的余裕を得たのかもしれない。東アジアは、「人治」の空間で「法治」を今後根付かせていくことは、日本でも中国でも大変な苦労が強いられる。2017/07/16

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