講談社現代新書<br> 生身の暴力論

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講談社現代新書
生身の暴力論

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  • サイズ 新書判/ページ数 208p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062883368
  • NDC分類 361.3
  • Cコード C0200

出版社内容情報

人はなぜ暴力を振るうのか。人を殺すと眠くなるというのはどういうことなのか。アウトロー取材を重ねてきた著者ならではの暴力論。「人を殺してみたかった」という理由での殺人事件が近年目立つ。さらに、ネット上には「殺す」「死ね」といった言葉が溢れている。そんな「暴力新時代」に、私たちはどう対峙すればよいのか?
著者は、『トラブルなう』や『関東連合』などの著書を手掛け、ツイッター、ニコニコ動画などのネット、テレビでもおなじみの有名編集者である。裏社会や芸能スキャンダルを扱うアウトロー雑誌での様々な取材経験をもとに、我々のすぐそばにある暴力、裏社会のリアルについて、本書は書きだしていく。
著者の経験によると、殺人を犯した人間というのは、トロンとした眠そうな目をしているという。そして、その目は大量殺人者でもある土方歳三の目に似ているらしい。
また、「川崎市中学生殺人事件」を例に、いわゆる「デビュー」が遅い人ほど危険な犯罪を犯しがちである、という「デビュー論」というものを展開する。
さらに、歌舞伎町の最新事情など、街なかでの暴力の実態とともに、思いがけず被害者となってしまった時の対処についてもきわめて具体的なアドバイスも書かれる。
さまざまな角度から暴力と向き合った本書では、言葉の暴力についても言及する。
本書は、暴力を肯定するのではもちろんない。しかし、現実に暴力は多様な形で「在る」訳だからそこから目を背けてはいけない。
今そこにあるリアルな「暴力」に真正面から対峙した一冊である。

はじめに
第一章 暴力の本質とは何か
暴力のボーダーライン/ヤクザの暴力/綾瀬と市川の凶悪事件/人を殺すと眠くなる ほか
第二章 暴力と不良と「デビュー論」
「ダサい」か「ダサくない」か/一九八〇?九〇年代型犯罪/不良少年の美意識/「ネットの国」の殺人者たち ほか
第三章 暴力の現場
AKBメンバー襲撃事件/島田紳助の「腹を切る」発言/タクシー運転手への暴力/「六十代以上」による駅での暴行 ほか
第四章 圧倒的暴力にどう対処するか
僕たちは犬だった/逃走のすすめ/記録のすすめ/被害届を出しにいく/身近にいる「犯人」 ほか
第五章 暴力新時代
「喧嘩凸」「リア凸」/究極の暴力「IS」動画/「バカッター」たちの実例/暴力は身近にある/SNSでの言葉の暴力 ほか
第六章 本当の強さとは何か
「強さ」の中身/「ウルサイ」人間は怖い/関東と関西の違い/最強伝説を求めて/頭を下げることの意味/怖い土下座 ほか
おわりに


久田 将義[ヒサダ マサヨシ]
著・文・その他

内容説明

「人を殺してみたかった」という理由での殺人事件が近年目立つ。さらに、ネット上には「殺す」「死ね」といった言葉が溢れている。「暴力新時代」、私たちはどう対峙すればよいのかを問う!

目次

第1章 暴力の本質とは何か
第2章 暴力と不良と「デビュー論」
第3章 暴力の現場
第4章 圧倒的暴力にどう対処するか
第5章 暴力新時代
第6章 本当の強さとは何か

著者等紹介

久田将義[ヒサダマサヨシ]
1967年、東京都生まれ。編集者。法政大学卒業後、広告代理店勤務の後、三才ブックスに入社。ワニマガジン社を経て、ミリオン出版にて隔月刊『ダークサイドJAPAN』創刊後、月刊『実話ナックルズ』編集長を務める。その後、月刊『選択』『週刊朝日』を経て、現在ニュースサイト『東京ブレイキングニュース』編集長。ニコニコ動画にて『ニコ生タックルズ』放送中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜勤中の寺

74
『実話ナックルズ』元編集長が、自らの体験を中心に綴った暴力論。早速冒頭で、「暴力とは弱者に対するもの」と定義。異論はない。自らの体験にアンダーグラウンドな知識とゴシップをチラチラさせながら、暴力を中心に話題が多彩に扱われている。この辺、雑誌っぽくて飽きさせない。新選組の話題まである。なるほど土方歳三のあの目はヒトごろしっぽいかも知れない。薄めの1冊だが、最後まで面白く読む。結局、独りに耐えられるタフさと優しさこそが強さだという意見には賛成。坂口安吾の「良い事も悪い事も一人でするんだ」という名言を思い出す。2018/08/17

harass

44
実録系雑誌編集者による現代の暴力についての体験談と意見。論とはいえない。取材でのヤンキーやヤクザとのやり取りや元犯罪者とのエピソード。ネットにも詳しい著者は近年のネット発の暴力についても語る。個人的には圧倒的存在感の出版社オーナーの話にまいった。凄まじい威圧感…… 逮捕前にでた本だが清原についての考察があり、いろいろ噂にはなっていた含みがある。ざっくばらんな体験談で怖いものみたさの読み物。暴力にどう立ち向かの対策もある。アウトローな人たちに接する著者の意見は人間考察に値する。良い暇つぶしに。2016/07/18

GAKU

34
何人かの方のレビューにもあるように、生身の暴力”論”というよりは、暴力に関するレポートという感じでしたね。唯一「殺人を犯した人間というのは、トロンとした眠そうな目をしているという。そして、その目は大量殺人者でもある土方歳三の目に似ているらしい。」という下りが興味を惹かれました。暴力に遭いそうになったら、とにかく「逃げるが勝ち」ですね。2015/10/07

澤水月

31
著者の暴力追想つらつら。普段なら冗長だろうが自分が今秋(刊行直後)、著者の既刊書にも関係する某暴力系の「場面(書内独特の語、リアルに体感せぬと分からない…)」に居合わせ色々心底「あ、底の底から思考体系も行動も違う人間がいる」と思い知った個人的経緯から妙にどの文も心に響いた。以来暴力、テロ等に興味。「デビュー」で捉えるのも割と分かる。実も蓋もないが修羅場知ってるのと未知とでは度胸も心構えも生き方もまるで変わる。これは女でも変わらないと思うし処世術。下げる頭はタダというのも真実(編集者の習い性でもあり共感2015/12/30

colocolokenta

25
北野武の映画『アウトレイジ』をたまたま観てその中の暴力シーンに驚いて、落ち込んでしまっていたところでこの本のタイトルが目に入った。「本当にこんなことできる人間なんているのだろうか」というのが映画をみたときの驚きだったが、この本を読んで納得できた。「一線を越えてしまえば、何でもできる」そのことが理解できた。そして、越えてしまった人はどこにでもいる。世間をなめて生きていてはいけない。デビュー論とダサさの関係はいい分析だと思った。それにしても、男ってある意味馬鹿な生き物だ。2015/10/04

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