講談社現代新書<br> 思索の源泉としての鉄道

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講談社現代新書
思索の源泉としての鉄道

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  • サイズ 新書判/ページ数 270p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062882859
  • NDC分類 686.21
  • Cコード C0230

出版社内容情報

東日本大震災で起きた鉄道史上未曾有の事態とは? 三陸に通った孤高の「鉄」学者は何を見たか。鉄道から日本を考える大人気コラム!なぜ「あまちゃん」にはJRが映らなかったのか?
常磐線の断たれた鉄路はどうなっているか?
三陸鉄道が復興できて、JRが復興できない理由とは?

車窓に目をこらし、歴史に耳を澄ませ、日本を読み解く
唯一無二の「鉄」コラム集!


【目 次】

第1章 東日本大震災と鉄道
第2章 天皇・皇居と鉄道
第3章 沿線文化の起源
第4章 断たれた鉄路をゆく
第5章 鉄道をめぐる記憶と文学
第6章 乗客の横顔
第7章 鉄道復興の軌跡
第8章 海外の鉄道で考える
第9章 よみがえる「つばめ」「はと」


第1章 東日本大震災と鉄道
東北新幹線という「権力」──東日本大震災から考える
三陸鉄道北リアス線に乗る
日本の鉄道史上未曾有の事態
リニアと名古屋
第2章 天皇・皇居と鉄道
御料車から見た近代天皇制
神功皇后と駅名
柿生、鶴川界隈雑感
東京東部の乗合汽船と鉄道
「地上」の復権と「東京東部」の復権──東京駅丸の内駅舎の復元に思う
第3章 沿線文化の起源
小林一三と「新茶道」
堤康次郎という矛盾
上田耕一郎と竹中労
五島慶太と米国
「愛線心」とはなにか──『東急電鉄のひみつ』を読む
菊名から所沢まで乗ってみた
JR鶴見線ベニス化計画
第4章 断たれた鉄路をゆく
断たれた鉄路──常磐線はいま
続・断たれた鉄路──旧高千穂鉄道はいま
三十年ぶりの只見線
第5章 鉄道をめぐる記憶と文学
上京と富士山
JR新宿駅9・10番線は何を意味するか
『海辺のカフカ』と鉄道
一枚の切符が覚醒させる記憶
SLブームとは何だったのか
原鉄道模型博物館を見学する
駅名が文章になる
第6章 乗客の横顔
車中の時局談議
神谷美恵子と長島愛生園
多摩ニュータウン諏訪二丁目団地の住民Aのつぶやき
四谷大塚中野校舎に通う小学六年生B子のつぶやき
乗り鉄の大学生Cのつぶやき
第7章 鉄道復興の軌跡
吉浜から気仙沼まで乗ってみた
「あまちゃん」と鉄道
三陸沿岸を南下する
第8章 海外の鉄道で考える
日帰りでパリに行く
トンネルと政治意識
香港鉄路東鉄線に乗る
ベトナム鉄道南北線に乗る
ポーランドのインターシティ
第9章 よみがえる「つばめ」「はと」
よみがえる「つばめ」「はと」(上)
よみがえる「つばめ」「はと」(下)
あとがき


原 武史[ハラ タケシ]
著・文・その他

内容説明

東日本大震災で起きた日本の鉄道史上未曾有の事態―それから3年半、断たれた鉄路はどうなっているか?車窓に目をこらし、歴史に耳を澄ませ、日本を読み解く唯一無二の鉄コラム!

目次

第1章 東日本大震災と鉄道
第2章 天皇・皇居と鉄道
第3章 沿線文化の起源
第4章 断たれた鉄路をゆく
第5章 鉄道をめぐる記憶と文学
第6章 乗客の横顔
第7章 鉄道復興の軌跡
第8章 海外の鉄道で考える
第9章 よみがえる「つばめ」「はと」

著者等紹介

原武史[ハラタケシ]
1962年、東京生まれ。明治学院大学教授。専攻は日本政治思想史。著書に『大正天皇』(毎日出版文化賞、朝日選書)、『「民都」大阪対「帝都」東京』(サントリー学芸賞、講談社選書メチエ)、『滝山コミューン一九七四』(講談社ノンフィクション賞、講談社文庫)、『昭和天皇』(司馬遼太郎賞、岩波新書)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

89
たいそうな題名だが、要するに”鉄ちゃん”のエッセイです…とは言い切れない。さすが政治思想学者にして近代皇室に詳しい”鉄学者”、ちょっとした文明論かも知れない。部屋で見つけた高校生時代に武蔵野線東浦和駅で買った切符から、見沼の辺りで出会った女性を想う。後の院生時代、復古神道研究で訪ねたクシイナダヒメを祭った氷川女体神社がその場所であったことに気づき、かの女性はその化身ではなかったかと思う。ー私はこの記述に、松本清張・未完の大作「神々の乱心」の冒頭部分が二重写しになった。舞台は昭和初期の東武東上線…近い!2020/04/26

Mumiu

42
トワイライトエクスプレスが来春、その歴史の幕を閉じる。憧れていたけれど、結局は縁がなかったようだ。列車の旅はお金もそうだけど、時間もたくさんほしくてハードルが高いです。最後の「はととつばめ」に作者の描く夢を見たが、これを実現できる人は優雅だよね。一方、震災を絡めながらの地方と鉄道、経営者と鉄道と道路、こちらは考えれば考えるほど行き詰まる。鉄道までの距離が大きい場所に住まう人もいるし、いつまでも車を運転できるわけじゃないからね。2014/12/15

21
柿生に皇居移転計画があったとは...。小田急ユーザー以外にはあまり見慣れぬ地名だけに、もし実現していたらどうなった?と妄想が膨らむ(笑)▼村上春樹の『色彩を持たない~』の(鉄道ファン目線の)考察も少しあって、お得感▼災害で鉄道が被害を受けてしまったら、話し合うよりも先にとにかく運転再開が大事!という考え方が新鮮だった▼多摩ニュータウン近辺に通っていた時期があったので、住民のつぶやき小説(?)はリアルに感じた。2018/07/24

イボンヌ

13
ラジオでコメントする原武史さんとはまた印象の異なる文章で楽しめました。 村上春樹さんや神谷美恵子さんの引用もあり。鉄道旅に出たくなりました。2020/03/14

みのくま

11
鉄道とはただの移動手段ではない。それは近代日本の象徴であり、共同体の中心であり、沿線文化の起源である。だからこそ「思索の源泉」なのだ。著者は東日本大震災後の東北の鉄道から、バスでは作れない乗客たちの「公共圏」を発見する。そして圧巻は、かつて走っていた客車特急「つばめ」と「はと」が現代に復活したら…という仮想の乗車記だ。スピードのみに価値を置いた新幹線では得られない経験を、少しノスタルジックな筆致で書かれたこの小品は、ぼくたちが失ったものを残酷に抉り出す。著者の原武史氏は政治学者である事を忘れてはならない。2019/08/12

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