講談社現代新書<br> 中世を道から読む

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講談社現代新書
中世を道から読む

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  • サイズ 新書判/ページ数 235p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062880404
  • NDC分類 682.1
  • Cコード C0221

出版社内容情報

戦国武将の最大の敵、それは自然現象と道路事情だった。積雪、河川の増水……。兵を動員するにもすべては道を押さえねばならないのだ乱世を生き抜かんとする戦国武将たちの最大の敵、それは自然現象と道路事情だった。積雪、河川の増水。兵を動員するにも道を押さえねばならない。交通を押さえる者が勝利をおさめる。知られざる中世の交通・兵站と情報網に迫る!

第1章 路次不自由
第2章 川を渡り、峠を越える
第3章 道は誰のものか
第4章 すべての道は鎌倉に通ず?


齋藤 慎一[サイトウ シンイチ]
著・文・その他

内容説明

積雪、河川の増水、険峻な峠…。交通を制する者だけが乱世の勝者となる!

目次

第1章 路次不自由(古文書は語る;戦国人の時空間;政治・軍事・自然)
第2章 川を渡り、峠を越える(越すに越されぬ利根の流れよ;舟橋を架ける;峠の鬼、そして地蔵)
第3章 道は誰のものか(越境可能な存在;通行を左右するもの;道路を管理する人びと)
第4章 すべての道は鎌倉に通ず?(メインルートは上道;河川交通と陸上交通の結びつき;鎌倉の地位低下、江戸の台頭)

著者等紹介

齋藤慎一[サイトウシンイチ]
1961年、東京生まれ。明治大学文学部卒業。同大学院博士後期課程中退。史学博士。専攻は日本中世史。現在、(財)東京都歴史文化財団江戸東京博物館学芸員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うえ

10
「碓井貞光の伝説が語るように峠には災いをもたらす存在があった。日常的には交通運輸に携わる人びとも、時と場合によっては山賊と化す。説話では大蛇にたとえられている…天候などの自然災害によるものもあったであろう。その災難に救いの手をさしのべるのが地蔵菩薩という関係になった」峠通過のさい、菩薩へのお賽銭を払わなかった者にだけは「山賊」が襲っていたのではという仮説が語られる。「峠の交通管理はいわば宗教的におこなわれており…近世における関所の設置などのように、直線的な行政機関による維持管理はおこなわれていない」2019/03/08

イツシノコヲリ(丹波國)

9
筆者の専門分野である関東での事象の記述が多い。前半は戦国武将の書状を元に「路地不自由」の意味を明らかにする。船橋の存在については知っていたが、中世においては結構重要な橋だと学べた。後半の鎌倉街道と東国各国の政治的拠点の変遷が面白かった。なかなか関東に馴染みのない人間にとっては、地名がしっくりこないが。また利根川の渡海の困難なことより、南関東と下野国を結ぶ鎌倉街道中道の本来の機能が、上野国を結ぶ鎌倉街道上道が有していたことは印象に残った。前近代において河川の影響の大きさというものを再確認させられた。2023/07/02

月猫夕霧/いのうえそう

7
中世の道路交通について、その困難さを文献から迫ってます。中世は地図が無い、あちらこちらでドンパチやってる、川は氾濫する、雪が降れば通れないし溶ければ川が暴れると、今みたいに気楽に出かけられる状況では無かったようで。特に川は、今はダムで水量を減らしているので渡れそうに見える川も当時は雨が降れば大暴れだったのだから、川幅が広すぎたりするとわたることが難しかったのですね。話は中世から飛びますが、江戸時代に川に橋を架けなかったのも、暴れ川に橋を架けるのが大変だったのものあるかも。2022/02/17

qwer0987

6
中世の道路状況は道路も橋も整備されている現代と違う。そんな当たり前だが忘れがちな事実を思い知らされる。川を渡るにしても徒歩、舟橋、船というように自然状況によって左右されるものしかなく、大軍で渡るとなると方法も限られるという視点は確かにその通りだ。また関所で関銭を取るのも安全を保証するためという点や、そういった安全の情報を得ている土地の有力者が道の権益を握っていた点は興味深い。また山道も牛馬が通れるように工夫されていた点など、現代とは違う実用的な視点も伺え、自身の想像力の及ばなさを知らされた2023/09/20

nizi

5
道が流通や経済、軍事にどのような影響を及ぼして諸国の発展にどう繋がっていったかはほとんど語られていない。ただ道をとっかかりにして関東周辺の事情を語った本。2023/12/30

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