内容説明
「年中行事」と化す謝罪会見。どの企業も立派な理念を掲げながら、なぜ「犯罪」は繰り返されるのか。その理由を日本人の行動原理にまで遡って解明する。
目次
第1章 だから不祥事がなくならない(日本人と法意識;日本人の自我の問題;日本人の組織の原理と行動;「性さほど悪くない」説と企業不祥事;会社組織そのものに起因する問題)
第2章 企業の不祥事パターン(不祥事の区分;「不正利得獲得」傾向が強い不祥事;「共同体維持」傾向が強い不祥事)
第3章 不祥事はなくせるのか(三方よし;社会的責任とは何か;日本人とCSR;法化社会と新しい規範;われわれの社会的責任)
著者等紹介
稲垣重雄[イナガキシゲオ]
1949年東京都生まれ。慶応大学法学部政治学科卒業。フリーランス・フランス語翻訳・通訳者として活動。現在、企業の社会貢献研究所事務局長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kotte
11
不祥事の7類型。大変勉強になりました。労働者は弱い存在で、自分の考えを曲げてでも会社の方針に従わなければならない場合があります。まずは、経営者が自ら襟を正し、社会の一員として社会に貢献できる企業を作っていく覚悟を持たなければいけません。2017/06/07
Hiroki Nishizumi
3
良い。冷静に現状を分析している。書かれた内容がことごとく頷ける。でもそれじゃダメなんだよな、どうすれば良いのか、何を行うのか、それは自身の課題なのだろうか。2017/12/27
さきん
3
狂ってしまった共同体に身を置く恐ろしさがよくわかる。生活を絶たれる不安で会社の不正に協力してしまうのは悲しい。会社を正しく商売させるのは、難しい。内側にもお客にも社会にも良い社会を構築できてこそ、活路が開いてくるのではないか?内側の人もところ変われば客であり、社会の構成員である。2015/07/10
ぞだぐぁ
1
少し前の本だが、福島第一原発の件とかこの本が出版されて以降も当てはまる問題が続々と生まれている……。2015/09/29
のあ
1
日本ならどこにでもある。見えない無言の了解。無言の掟。 どんなに大きな組織でも、一番大切なのは「人」 利益にばかりを追求して「人」をおろそかにしたら破滅する。 私も、間違っていると思うことを声に出してぶつけることができるようになりたい。 納得できないまま一人でふてくされるくらいなら、思い切りぶつけて嫌われた方がいい。働くところは、安心して自分が成長できる場所がいい。2014/06/16