講談社選書メチエ シリーズ選書日本中世史 選書日本中世史〈４〉僧侶と海商たちの東シナ海

榎本 渉【著】

講談社（2010/10発売）

• サイズ B6判／ページ数 257p／高さ 19cm
• 商品コード 9784062584685
• NDC分類 210.4
• Cコード C0321

出版社内容情報

選書日本中世史 第4弾！
「海域交流」から「中世」を照射する！

遣唐使が途絶してからも、大陸との交流はむしろ活発に行われていた。その担い手は利を求め海を闊歩する海商たち。そして、彼らの助けを得て何百もの僧侶たちがあらたな教えを求めて大陸へと向かっていた。多くの記録を史料に残した僧たちの足跡を辿ることで、海域交流の実相に迫り、歴史世界としての東シナ海を描き出す！

序章　中世日本と東シナ海
第1章　「遣唐使以後」へ
第2章　古代から中世へ
第3章　大陸へ殺到する僧たち
第4章　「遣明使の時代」へ


榎本 渉［エノモト ワタル］
著・文・その他

内容説明

遣唐使が途絶してからも、大陸との交流はむしろ活発に行われていた。その担い手は利を求め海を闊歩する海商たち。そして、彼らの助けを得て何百もの僧侶たちがあらたな教えを求めて大陸へと向かっていた。多くの記録を史料に残した僧たちの足跡を辿ることで、海域交流の実相に迫り、歴史世界としての東シナ海を描き出す。

目次

序章　中世日本と東シナ海
第１章　「遣唐使以後」へ（最後の遣唐使、出発；海商の登場；「遣唐使以後」の入唐僧たち）
第２章　古代から中世へ（平安王朝の対外政策；帰国しなかった僧たち；密航僧の出現）
第３章　大陸へ殺到する僧たち（「中世」の始まり；日宋仏教界をつないだ人脈―入宋僧円爾；日元関係の波紋と仏教交流―入元僧龍山徳見）
第４章　「遣明使の時代」へ（混乱の海、統制の海；仏教交流の変質）

著者等紹介

榎本渉［エノモトワタル］
１９７４年、青森県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位修得退学。東京大学東洋文化研究所助手を経て、国際日本文化研究センター准教授。博士（文学）。専攻は日本中世史（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[aki]

9世紀の遣唐使から１５世紀の遣明使まで、僧侶の留学を軸に、東シナ海を通した日中の交流史を紹介した本。膨大な僧侶や商人が海を渡っていることに、びっくり。激しい戦いを展開した元代でさえ（戦いのさなかではないが）、多くの僧が教えを求め、あるいはハクをつけるために中国に渡った。いろいろな理由で中国に永住した僧も多かった。タイトルは「僧侶と海商」となっているが、坊主のほうが比重が大きい。個人的には海をわたり人や物資を運んだ、実質的な交流の主役というべき商人たちのほうに興味を感じるが。

2010/11/26

[rbyawa]

ｇ１２０、あくまで「記録の残る渡来僧」に関してをまとめた本なので寺が中心になっていると思われる対中国貿易（私が読みたいのはこっち）に関しては触れられていなかったものの、重源の前後でにわかに入宋僧が重要視されるとか、栄西の系譜がその後の東大寺大勧進の役を占めるとか、大宰府との間接的関係が伺われるなどの普段から気になっている部分がぽちぽちと拾えて大変に収穫。個人的にはここで触れられている「海商」の正体が知りたいなぁ、日本人も中国人もその他の国の人間も混ざってるよね。東シナ海そのものの研究が進むとわかるかなぁ。

2016/12/05

[Teo]

中世の東シナ海交流史を見るのに海商達の記録が無い一方でそれを利用して渡航した僧侶達の記録は一貫して記録されている。その文献を資料として東シナ海でどの様な海上活動が行われていたのかを通史で見てみようと言うもの。遣唐使船から明の海禁までその形態がどう変化したのかが分かる。しかし同時にやはり僧侶の渡航史である事も確かで、海域史としては未だ物足りない感じがする。「海域史はミズモノ」は研究者の間でもやはりそう思われていたのか。

2010/11/15

[監督]

文化が輸入されたことは日本史で習ったけど、どうやって輸入されたかなんて聞いたこともなかった

2012/02/25

[MrO]

東シナ海という視点から、そこを行き来した僧侶を題材に、日本を見直そうとした力作。資料が整理され、読み込まれて行ったとき、どんな中世的世界が見えてくるのか、これから楽しみ。

2011/08/17