講談社選書メチエ シリーズ選書日本中世史
武力による政治の誕生―選書日本中世史〈1〉

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  • サイズ B6判/ページ数 234p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062584661
  • NDC分類 210.4
  • Cコード C0321

出版社内容情報

歴史の見方が変わる!
選書日本中世史シリーズ 全5巻スタート

天皇から幕府へ。「文」から「武」へ。
中世は日本のヘゲモニーの大転換期だった。宮廷と幕府=2つの政権の並立から幕府中心の日本へ。日本史の大きな流れを分節する歴史の「構造」を解明し、移行の画期としての鎌倉幕府の意義を再検討する。

第1章 朝廷と幕府の暴力の骨格
第2章 朝廷にみる交渉の骨格
第3章 幕府をつくった主従の骨格
第4章 車の両輪に比される文・武の骨格
第5章 天皇と「武」をめぐる史学史の骨格
終章 自己を見つめ直すための、中世史の構造


本郷 和人[ホンゴウ カズト]
著・文・その他

内容説明

天皇から幕府へ。「文」から「武」へ。中世は日本のヘゲモニーの大転換期だった。宮廷と幕府=二つの政権の並立から幕府中心の日本へ。日本史の大きな流れを分節する歴史の「構造」を解明し、移行の画期としての鎌倉幕府の意義を再検討する。

目次

第1章 朝廷と幕府の暴力の骨格
第2章 朝廷にみる交渉の骨格
第3章 幕府をつくった主従の骨格
第4章 車の両輪に比される文・武の骨格
第5章 天皇と「武」をめぐる史学史の骨格
終章 自己を見つめ直すための、中世史の構造

著者等紹介

本郷和人[ホンゴウカズト]
1960年生まれ。東京大学文学部卒業。同大学大学院で石井進氏・五味文彦氏に師事し、日本中世史を学ぶ。専攻は中世政治史、古文書学。現在は、東京大学史料編纂所准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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目黒乱

9
権門体制論(天皇のもとに幕府や寺社などが相互補完的に統治を行う)を否定し、中世は幕府が上で朝廷が下であると説く。権門体制論は皇国史観の亡霊であるとも。しかし幕府による政治も「武」だけでは安定せず「文」をとりこまねばならなかった。あと、網野善彦って実証的な作業を重視しない人だったとか。堅実な学者というわけではなかったんだなあ。読むときは気をつけよう。2015/10/02

Teo

5
平安期の文の支配をまさに武力を以て奪取していく武家の様子を歴史史料から読み取って行く。中世における天皇権威を見直した比較的近年の史像を、やはり武力を持ってる側は強いよねと言うそれまでの慣れ親しんだ結果にはなるが、この本の主張ではそれに対して史料の裏打ちがあると言うもの。ここら辺までは非常に面白い。しかし第5章から話が向きを変えはじめ、終章は日本の史学会批判の様な論調になる。但し、著者の言わんとする所は共感出来る。理学部出身の私としてはデータの裏付けの無い推測での議論はおかしいと常々思っている訳だから。2010/06/21

nagoyan

5
優(最近評価が甘いかもしれないが、これは優)。ただ、武力による政治の誕生というタイトルには肩透かしされた感が残る。1章で権門体制論を批判、2章で西園寺史観を否定、3章では武士を主従制によって結合した在地領主勢力として、平氏福原政権に武家権力による新国家像をみる。1~3章は武家史観であり、天皇史観の否定である。ひるがえって、4章では武士の残虐さを指摘し、野蛮な武士がいかに文化を身にまとったかを明かす。しかし、本書で肝なのは、尚武を掲げながら天皇中心史観だった皇国史観の矛盾にふれ、それを可能にしたのは事実をお2010/05/22

THE WATERY

2
日本中世史がこんなに面白かったとは。。文武の関係,皇国史観の矛盾,そして歴史学界への苦言まで含めて興味深かった。2010/07/06

wang

0
日本の中世の始まりをどこに置くか。大雑把に言えば平和が続いた平安時代。そこへ粗暴な武力をもった武士が登場して大勢を掌握する。その後、承久の乱によって武力放棄を宣言した朝廷は理性による政治を志すが、物理的強制力を持たないで正義を行うことはできずやがて暴力による当地を行う幕府に圧倒されてしまうこととなった。その後、暴力だけでの統治に限界を見いだした将軍権力は朝廷の実務官僚を取り込み形式を真似て統治を行うようになる。文の時代→武の時代→文を取り込んだ武の時代。文書形式の研究など土台のしっかりした研究が面白い。2017/02/01

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