スペードの3

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  • サイズ B6判/ページ数 292p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062188500
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

直木賞作家、朝井リョウが初めて社会人を主人公に描く小説。人生を動かせるのは自分自身だけだと気付く女性たちを描いた待望最新作。

朝井さんは、女子でもないのに、どうして女子の人生がこんなにも岐路の連続だということを知っているんだろう。―辻村深月氏

まるで、万華鏡です。読み進めるうちに変化する風景は、マジシャンの帽子に迷い込んだような気分になります。―はやみねかおる氏

ミュージカル女優、つかさのファンクラブ「ファミリア」を束ねている美知代。大手化粧品会社で働いていると周りには言っているものの、実際は関連会社の事務に過ぎない彼女が優越感を覚えられるのは、ファンクラブの仕事でだけ。ある日、美知代の小学校時代のクラスメイトが「ファミリア」に加盟する。あっという間に注目を集めた彼女の登場によって、美知代の立場は危うくなっていく。美知代を脅かす彼女には、ある目的があった。
華やかなつかさに憧れを抱く、地味で冴えないむつ美。かつて夢組のスターとして人気を誇っていたが、最近は仕事のオファーが減る一方のつかさ。それぞれに不満を抱えた三人の人生が交差し、動き出す。
待っているだけではなにも変わらない。私の人生は私だけのもの。直木賞作家朝井リョウが、初めて社会人を主人公に描く野心作!

第一章 スペードの3
第二章 ハートの2
第三章 ダイヤのエース

【著者紹介】
1989年5月生まれ、岐阜県出身。2009年『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。2012年に同作が映画化され、注目を集める。2013年『何者』で、戦後最年少で第148回直木賞を受賞。他の著作に『もういちど生まれる』、『少女は卒業しない』、『世界地図の下書き』など。

内容説明

ミュージカル女優のファンクラブまとめ役という地位にしがみついている美知代。地味で冴えないむつ美。かつての栄光は見る影もない女優のつかさ。待ってたって、「革命」なんて起きないから。私の人生を動かしてくれるのは、誰?

著者等紹介

朝井リョウ[アサイリョウ]
1989年5月生まれ、岐阜県出身。2009年『桐島、部活やめるってよ』で第二二回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。2012年に同作が映画化され、注目を集める。2013年『何者』で、戦後最年少で第一四八回直木賞を受賞。2014年『世界地図の下書き』で第二九回坪田譲治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

にいにい

428
朝井リョウさんお久しぶりです。社会人を主人公に小学時代を絡ませて、女性三人の心理描写が巧みだ。トランプの大貧民でのスペードの3、ハートの2、ダイヤのエースは、誰の性格を表すのか、待っていても革命は起きない。アキは、自分に革命を起こせたのか?つかさは、切り札を持っていたのか。円は、最初から強いのか。美知代は、いつまでも待つのか。表と裏が交差する描写に想像が膨らむ一冊。読みごたえがあった。朝井さんのこういう話もいいなぁ~。2015/03/26

takaC

417
部分的に面白いところは無くもなかったけど、3章通しの物語としては意味がわかりにくかった。終わり方もある意味唐突で、全然スッキリ感なし。2015/10/05

風眠

416
見えない影のような、実感のない幻のような、そういう何かを追い求めてしまうのが女という生き物なのかもしれない。謙虚さの裏にある、目立ちたいという本音。あの子のようになりたい、なれるかもしれないという賭け。才能だけでは敵わない、不幸という人生のバックボーンを持つ相手に嫉妬する心。あるミュージカルスターのファンクラブ「ファミリア」を舞台に、変われない自分と、変わりたい自分が絡まる女心を、繊細に描いた連作短篇集。女ならではの探り合いのような心理描写がリアルで、逆に男性作家だからこそ書けたのかもしれないとも思う。2014/07/29

ダイ@2019.11.2~一時休止

360
3人の主人公の立場から繋がっていく物語。うまく騙されたなっていう箇所もあったし面白かった。でも大富豪のルールが違うなっていうのと各章のタイトルはいまいちピンとこない。2015/01/08

Yunemo

356
こんなものなんでしょうか。女性の心理を3人の性格を際立たせることによって、記す。著者の年代でここまでの心理描写ができるんでしょうか。とは言え、女性心理と考えるからなんでしょう。男性であれ女性であれ、ここで記されている感情は持っているもの。けっして女性特有のものではありません。自身のことを考えてみると、間違いなく同様な感情が胸の奥底に眠っているのが感じられます。そう思って読了。でも、私だけなのかな。ちょっと不可思議な気分が残るのも事実。2014/04/21

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