満月ケチャップライス

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  • サイズ B6判/ページ数 325p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062180122
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

ぼくらは家族になるのだろうか――? モヒカンで、料理上手で、おまけに超能力者。兄妹と母が暮らす家庭に、ヘンな男がやってきた!

ある朝、中学一年生の進也は、妹の亜由美に起こされた。
台所を見に行くと、知らない男の人が体育坐りで眠っている。
夜の仕事をしている母が連れて帰ってきた人らしい。
進也はあまり気にせず、いつものように目玉焼きを作りはじめると……
「あ、そろそろ水を入れた方が、いいんじゃないですか?」

第一話 やってきた男 
第二話 曲げちゃう男 
第三話 咲かせる男  
第四話 追われる男  
第五話 逃げ出す男  
第六話 遠い男    
第七話 輝く男    
第八話 さよならの男

内容説明

―あれ以上においしくて元気の出る食べ物は、きっと、この世に存在しない。ある朝、中学一年生の進也は、妹の亜由美に起こされた。台所を見に行くと、知らない男の人が体育坐りで眠っている。夜の仕事をしている母が連れて帰ってきた人らしい。進也はあまり気にせず、いつものように目玉焼きを作りはじめると…「あ、そろそろ水を入れた方が、いいんじゃないですか?」3人家族と謎の男チキさんの、忘れられない物語が始まる。

著者等紹介

朱川湊人[シュカワミナト]
1963年、大阪府生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。出版社勤務を経て、2002年に「フクロウ男」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年には「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞を、2005年には『花まんま』で第133回直木賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kishikan

165
う~ん、タイトルと表紙絵に魅せられたんだけど。ちょっと期待しすぎたなぁ。心優しい中学生進也君と事故で足を悪くした亜由美ちゃんの兄妹、一風変わった母という3人家族に超能力を持つモヒカンのチキさんが居候、という面白い設定。そして様々な心の傷を背負う兄妹がチキさんとの関わりの中で成長していく姿が微笑ましい。折々にチキさんが作る手抜きだけど美味しそうな料理(満月ケチャップライスもそう)も魅力的。でも、朱川さんにしちゃ今回はいろんな要素を詰め込み過ぎ。それにこのような話に実際の事件を織り込むのはマイナス効果ですよ。2013/02/17

ちはや@灯れ松明の火

145
幸せな家にはいつもきれいなタオルと新しい卵がある、それに食卓を囲む笑い声があれば文句なし。母子家庭の兄妹の元にやってきたメリー・ポピンズは料理上手なモヒカン男。皿の上で輝く満月みたいなオムライス、いただきます、おいしくて楽しくてうれしくて、でも月はどんどん欠けていく。どこからやり直せばずっと一緒にいられたのかな。スプーン曲げ、覚醒剤、富士山麓にオウム啼く。なんでもできるのに、どうして自分のことだけは幸せにできないんだろう。きれいなタオルも新しい卵もある幸せなはずの家族、それでも、ここにはあなたがいない。 2013/03/02

紫 綺

124
先が気になり、ぐいぐい読んでしまった。本物の超能力者が出てくるのは、ちょいと興覚めだが・・・しかも世間を騒がせたあの教団が出てくるのも・・・。オチにはちょっとがっかりだけど、まあ楽しめたかな。チキが作る簡単レシピが、楽しそうで美味しそう♪ここのところ、シングルマザーものが続いているのは偶然だろうか?2013/12/08

ひめありす@灯れ松明の火

119
ただちょっぴり砂糖があるだけで、苦い薬も飲めるのよ、とメリーポピンズは歌い、本当に幸せな家庭は白い清潔なタオルと卵がいつもある事だ、とチキさんは笑う。超能力も、白装束の不気味な集団も、僕らの日々ではおまけだった。大切なのは家と学校と公園と、チキさんのホームセンター。小さな範囲の小さな出来事だけで僕らの生活は満たされていた。いつか家族になって、僕らは幸福に満たされていくはずなのに。どうしてかな、満月のケチャップライスみたいに少しずつ終わりを感じちゃうんだ。お腹の中に満ちていく優しさ、もっともっと欲しいのに。2013/03/26

財布にジャック

108
白朱川のように見せかけてありますが、実は黒なのではないかと考え込んでしまいました。よい話なのか嫌な話なのか、読む人によって変わってくると思います。でも、出来すぎた主人公の少年と、お料理上手な謎の人物チキさんの魅力で、飽きることなく楽しめました。チキさんが姿を消してから具体的にどんなことになったのかは想像に任せられていますが、あの教団絡みのお話なのでぞっとさせられます。あの事件を知らない少年少女が読んだらどんな感想を持つのかなぁと心配になりますが、重いテーマに挑んだ朱川さんには頭が下がります。2012/12/28

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