黄金の夢の歌

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  • サイズ B6判/ページ数 422p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062166485
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

不思議な男の子の声に導かれ、中央アジアの草原をさまよう「あなた」。歴史の奥に秘められた、人間を励ます叙事詩の意味を探る最新長篇。

著者等紹介

津島佑子[ツシマユウコ]
1947年、東京生れ、小説家。白百合女子大学英文科卒。在学中より「文藝首都」「三田文学」に参加。『夜の光に追われて』(1987年読売文学賞)『風よ、空駆ける風よ』(1995年伊藤整文学賞)『火の山―山猿記』(1998年谷崎潤一郎賞、野間文芸賞)『笑いオオカミ』(2001年大佛次郎賞)など受賞作多数。1991年から翌年までパリ大学東洋言語文化研究所でユカラなど口承文芸を講義する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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syaori

50
キルギスの英雄譚マナスの歌を追う旅。それは、その周りに響くユーラシアの遊牧騎馬民族(スキタイや匈奴などと呼ばれた人々)の英雄やアレクサンドロスの伝説を、遠い昔から地上に響き、巡り、溶け合ってきた無数の「夢の歌」をたどる旅。民族の誇りでもあるその歌は、響かせすぎると紛争に繋がるものではあるのだけれど、同時に太古の時代から外敵や抑圧に晒されてきた人々が生きていくのに必要だったもの。夢の歌に願いや期待、人生を込め歌の翼とすることで人は再び「生きる」ことができるのだ。この物語は、それを見せてくれたのだと思います。2019/05/31

兎乃

20
1月20日、文学カフェ・バー「リズール」にて著者の朗読&フリートークがあるとの事で、昨年よりボツボツと再読。柄谷行人氏が初めて小説を対象にして書評を書いた作品。このリズム、この広大さ。民族学や口承文芸、博覧強記のような表現ではなく、遺伝子レベルで津島ワールドに引き込まれる。深く、けれど重苦しくない、津島氏の肉声が、それこそが文体であり小説なのだ。なんと引き出しの多い、大らかさだろう。私はあの「声」を一生忘れない。トット、トットタン、ト。当日、朗読されたのは群像掲載の最新作。素晴らしかった。春が待ち遠しい。2013/01/22

青緑

4
文章が素敵。人称が『あなた』なうえに『きっとそう』とか『かもしれないから』とか『たぶん、そういうことなんだよ』とか曖昧さが多いので、別人になった夢を見ているような不思議な感覚。2019/03/23

渡邊利道

4
キルギスからモンゴルまで、中央アジアを舞台に、男の子たちが愛する「夢の歌」に登場する英雄たち(アイヌ・ユーカラからアレクサンドロス大王まで!)と、その現実での暗い影である紛争のさまざまな様相を、流れるような引用と一章ごとに二人称と一人称が入れかわるかろやかな筆致で作者自身を連想させるヒロインの旅の中に描いた長編小説。夢と現実が裏返っていて、タイトルの通り、過酷な現実を見つめつつ夢のように明るい歌物語。2017/05/17

メルセ・ひすい

4
14 赤★5 「夢の歌」=ソングライン=ブルース・チャトウィン AS. だが…確かな懺悔 メルセのアップ これを読まずに植民地主義も語れない もちろん資本主義~地球の危機 アメリカ・インディアンの滅亡 新しい学問…文化人類学も民族学・民俗学も語れない…勿論…熊楠先生も太陽の塔の なんだこれ!の岡本先生…同級生の仏・レヴィ・ストロース様も語れない。。アボリジニ…キルギス・内モンゴル「トット、トット・タン、ト」…騎馬の蹄 ツングース・突厥、匈奴、モンゴル、スキタイのソングラインが中央アジアにも※2011/01/09

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