• ポイントキャンペーン

『純粋理性批判』を噛み砕く

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 345p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062163637
  • NDC分類 134.2
  • Cコード C0010

出版社内容情報

これぞ哲学の魅力。カントの「わからなさ」がわかる!
殺人級に難解な「アンチノミー論」を徹底解読。「わからなさ」の代名詞、カントの思索に体当たりする“実践”哲学の書!

哲学書に関しては、語学と似ていて、それにどれほどの時間と労力をかけたかが決め手と言っていいでしょう。たとえその哲学書が現代の潮流に乗っていなくても、掛け値なしの古典(『純粋理性批判』はその典型)であれば、いかに時間と労力を懸けても無駄なことはない。真剣に格闘した経験はあなたの身体の中に沈殿して、次に読む本の糧になる。ずっと理解が易しくなるはずです。……40年以上もカントに付き合っている私は、やはりカントを愛しているのだと思います。……物事の本質を見抜く洞察力や議論の厳密さ・周到さ・徹底さに驚愕し、掛け値なしに偉大だと確信しながら、いたるところに見られるその思い込みや思い違いもなかなか人間味があって「かわいい!」とほくそえみながら、愛しているのです。――<本文「易しくて難しいカント」より>

内容説明

これぞ哲学の魅力。カントの「わからなさ」がわかる!殺人級に難解な「アンチノミー論」を徹底解読。「わからなさ」の代名詞、カントの思索に体当たりする“実践”哲学の書。

目次

難しくて易しいカント
アンチノミーとは何か?
宇宙論的理念
無条件者への無限背進
予盾対当と反対対当
哲学の競技場
世界は時間的始まりを持つか?(第一アンチノミー、テーゼ、アンチテーゼ、時間について)
世界は空間的に無限か?(第一アンチノミー、テーゼ、アンチテーゼ、空間について)
空虚な空間・空虚な時間(第一アンチノミー、注)
世界は無限分割できるか?(第二アンチノミー、テーゼ)
世界は単純な部分から成っているか?(第二アンチノミー、テーゼ)
単子論の弁証的原理(第二アンチノミー、注)
自由は認められるか?(第三アンチノミー、テーゼ、アンチテーゼ)
現象の系列における絶対的な始まり(第三アンチノミー、注)
絶対に必然的な存在社はあるか?(第四アンチノミー、テーゼ、アンチテーゼ)
必然性と偶然性(第四アンチノミー、注)
易しくて難しいカント

著者等紹介

中島義道[ナカジマヨシミチ]
1946年福岡県生れ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。哲学博士(ウィーン大学)。2009年、電気通信大学教授を退官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Happy Like a Honeybee

11
時間とは観念的な概念か、または客観性があり実在的なものか。 カントを始めとする哲学書は語学学習と同様であろうか。 時間と労力に比例し、困難を厭わない者だけが体得できる厳しい世界。 現代では毎日のように、夥しく出版される書物たち。 その中にはカントなど難解な哲学書たちの思想を、アレンジしている本も多いだろう。 その意味でも少しずつ挑戦しよう。2018/03/24

テツ

6
人類が書いた書物の中で最も難しい物の一つとされるカントの『純粋理性批判』を我々のような凡人が暇つぶしにする読書で理解できるわけがないという事が良く解る一冊。カントがそれこそ一生を費やして到達したモノに触れるには(そして出来ればほんの少しでも理解するには)相応の努力と時間を費やさなければならない。中島先生は常日頃から「哲学は優しくない」と仰っているが、改めてそのことが理解できた。難しいことを覚悟しながら時間をかけて噛み砕き咀嚼しなければ理解できない書物がこの世界には山ほどある。2015/01/04

チネモリ

4
 本書は『純粋理性批判』「アンチノミー論」の副読本と捉えてよい。該当箇所を引用しながら解説を進めていたり本文を読み進めながらわかりにくいところを「噛み砕いて」いく点が本書の特徴である。カントの文章の不親切さや誤訳などの指摘もあり著者のカントとの付き合いの深さも窺える。著者が一生懸命「噛み砕いた」にも関わらずカントが前提としていることや問題の発想法などがわからないと「アンチノミー論」は理解できないだろう。本書を横に置きながら『純粋理性批判』と少なくとも10年付き合う覚悟が必要だと感じた。2018/02/24

Olive

2
この本の柱は、超越論的理念の4つのアンチノミー、それぞれのテーゼと証明、アンチテーゼと証明、注解が主な柱になっている。岩波の篠田訳に基づいて解説。(篠田訳は誤訳が多いと言われている)壮大過ぎてチンプンカンプン、何度も挫折してきたが、少し理解したかなと思う。これでもほんの一部の解説。カントとは、純粋理性とは何かを知りたくてカント周辺を手に取ってみた。200年前の哲学が今でもこんなに”愛され?”ているのはカントの自然科学と生きる価値を俯瞰した哲学にあると言われる。光文社古典新訳文庫の方が読みやすいと思う2020/09/04

yu-ente-isra

2
カントが形而上学的問い世界に始まりはあるか?世界は無限の大きさか?我々は自由であるか?などに理性だけで挑み、結局それらの答えはない、特に、二律背反な結論(アンチノミー)となってしまうんだ、つまり理性だけじゃどうにもならないこともあるよ、、、ということを証明した超絶難解な原著もしくはその翻訳の解説がこの本である。カントが目指した?理性の限界への挑戦の記録といった感じで読みごたえがある。原著翻訳が引用されているが、とても素人の私に読む気を起させるような文章ではなかった。2017/03/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/622948
  • ご注意事項