帝国の落日〈上巻〉―パックス・ブリタニカ完結篇

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  • サイズ B6判/ページ数 446p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062152471
  • NDC分類 233.06
  • Cコード C0022

出版社内容情報

未曾有の繁栄から世界大戦とインド独立で揺らぐ新世紀へ
ローマを凌ぐ繁栄の頂点から大英帝国の衰退が始まった
英国歴史文学の最高傑作!

ヴィクトリア女王即位60周年の盛大な祝典から3年半後の1901年1月、女王は崩御し、帝国の美徳も消えていった。大英帝国の落日が新世紀とともに始まったのである。海軍相チャーチル、アラビアのロレンス、インド独立の闘士ガンディーなど、多彩な群像が登場する帝国最後の栄光と悲劇を描く。

本書は1897年の、ヴィクトリア女王即位60周年記念の日にはじまり、チャーチルの葬儀の日で終わる。本立てのように本書を挟むこのふたつの式典の間のページから、大英帝国の終焉を見守り、綴ったときに私が抱いた賞賛、嫌悪感、楽しさ、憐れみ、誇り、妬み、驚きのない交ぜになった感情を、幾分かでも感じていただければ幸いである。――<「序文」より>

モリス,J.[モリス、ジャン]
著・文・その他

椋田 直子[ムクダ ナオコ]
翻訳

内容説明

未曾有の繁栄から世界大戦とインド独立で揺らぐ新世紀へ。ヴィクトリア女王即位60周年の盛大な祝典から3年半後の1901年1月、女王は崩御し、帝国の美徳も消えていった。大英帝国の落日が新世紀とともに始まったのである。海軍相チャーチル、アラビアのロレンス、インド独立の闘士ガンディーなど、多彩な群像が登場する帝国最後の栄光と悲劇を描く。英国歴史文学の最高傑作。

目次

第1部 大いなる幻影―一八九七~一九一八年(太陽を恋う日時計のごとく―ヴィクトリア女王即位六〇周年記念祭と、ヴィクトリアの帝国の現状;危機に陥った探検家―ファショダ事件;国旗を追って―帝国主義思想を教え込む;いつもの暮らし―第二次ボーア戦争 ほか)
第2部 揺らぐ目的―一九一八~一九三九年(新世界へ―帝国の歩調が変わる;最初で最後の打撃―アイルランドと帝国の将来;アラブ世界の英国人―東方の新たな支配者;手探りの前進―インド独立を目指して)

著者等紹介

モリス,ジャン[モリス,ジャン][Morris,Jan]
1926年、英国サマセット州に生まれる。英国王立文学会会員で、歴史・紀行作家として著名。第二次世界大戦の軍隊経験を経てジャーナリストとなる。1953年には英国のエベレスト登攀隊に同行してその初登頂を取材、世界に報道した。その後、ヴェネツィア、シドニー、香港などを巡り、数多くの旅行記を著す

椋田直子[ムクダナオコ]
翻訳家。東京大学文学部大学院修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

116
大英帝国の興亡を描いている三部作のうちの最後のものらしいのです。上下2巻の分厚い本ですが非常に面白く大河小説のような感じで読めます。1897年のヴィクトリア女王即位60周年の記念の日に始まって、チャーチルの葬儀の日で終わるのですが、上巻は対インド政策のガンディについて書かれているところで終わっています。よくある無味乾燥な歴史の本ではなく、人間が描かれています。2015/12/12

Willie the Wildcat

25
栄枯盛衰。英国で振り返る繰り返される歴史。帝国主義が最も蝕んだのは、もれなく「人心」。英国故、『Gentry精神』と解釈すべきか・・・。綻びを取り繕い、体裁を整える。ボーア戦争に始まり、第一次大戦に繋がる衰退。試合に勝って、勝負に負ける印象。「イースター蜂起」が致命的という印象。誇り高き撤退・・・。引き際の難しさを痛感させられる。2015/02/19

メルセ・ひすい

5
14-07 赤14-05 (^0^)パックス・ブリタニカ ★ポートレート写真多数 客観的評価 そうそうソウナンデス…分かりやすい近代世界史総括(°∀°)b 必読書!ヴィクトリア女王即位60周年の盛大な祝典から3年半後、女王は崩御し帝国の美徳も消え、大英帝国の落日が新世紀とともに始まった…。多彩な群像が登場する帝国最後の栄光と悲劇を描く、英国歴史文学の最高傑作。そもそも植民地主義とは、戦争のやり方…捕虜の扱い、諜報の基礎とは…当然、米国の先輩・指南役はこんなに苦労してやってきた。。。(*_*)2010/10/19

だ~しな

3
どうも三部作のうちの最後の三部らしいが知らずに読んでいた。上巻は期間としてはヴィクトリア女王60年記念式典から第一次世界大戦までを描き出す。ただ事件を描き出すのではなく、事件の中心人物らのバックボーンを語り、彼らの精神性やその周りが歴史上の出来事にどう関わったかをイギリス人らしい皮肉っぽさを交えながら描き出す。大英帝国の拡大本能のツケと、帝国意識のズレ、帝国を支えたシステムの限界、外交戦略の混乱が帝国の凋落を予感させる。下巻も読みたくなる素晴らしい叙述ぶりは、翻訳者の奮闘によるところもあるかもしれない。2016/05/09

       \サッカリ~ン/

3
19世紀、世界史上でも稀に見る巨大帝国が誕生した。ヴィクトリア女王が統治したこの時代は、イギリス史において帝国の絶頂期とみなされている。本書は在位60年目の記念パレードから始まるが、大英帝国は既に衰退への道を歩み始めていた。WW1、海軍軍縮、アイルランド、インド独立。広大な範図のあちこちから帝国の不満と軋みが噴き出し続ける様が、本書では淡々と語られる。近代イギリス史をまとめて読むには最適な良書である。また、インド統治ではジョージ・オーウェルの『象を射つ』(正確にはビルマだが)でも語られた苦悩が垣間見れる。2013/01/27

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