内容説明
世界・現実との関係において躓き、ズレていく統合失調症=精神分裂病。「今」と「今から」を意図することの困難、身近な事物がもつ意味の突如たる凶変はなぜ起こるのか。脳の働きのどのような不具合が関係しているのか。精神科医療の最前線に立ち膨大なエビデンスを有する著者が、脳科学の最新の成果を動員して練り上げた、脳と精神に関する総合理論。
目次
第1章 「意図のセンター」の障害(ケース・プレゼンテーション;時間感覚が歪むということ)
第2章 リンビックシステムの暴走(名前がつき、意味が生まれる;恐怖が支配する時)
第3章 行為のプランとワーキング・メモリー(先のことを考えること;大脳皮質前頭前野の働き;ワーキング・メモリー;「意図のセンター」の脳科学的裏づけ;意志決定と前頭連合野;セントラル・ドグマに風穴があいた?)
第4章 自己と現実(現実とは?;病気で失われるもの;過去優先の脳;残された大物の症状;東洋の知恵)
終章 文庫版にむけて
補説
著者等紹介
計見一雄[ケンミカズオ]
1939年東京都生まれ。千葉大学医学部卒業。医学博士。千葉県精神科医療センターの設立に参画、現在名誉センター長。公徳会佐藤病院(山形県南陽市)顧問。精神科救急医療という分野の開拓者で、いまも臨床の最前線にいる。日本精神科救急学会前理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。