講談社現代新書<br> 茶人たちの日本文化史

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講談社現代新書
茶人たちの日本文化史

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  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061498785
  • NDC分類 791.2
  • Cコード C0221

内容説明

茶の飲用法が伝わったとされる九世紀から現在まで、どのように茶文化は日本の社会に受容され、展開してきたのか。本書は、時代ごとに茶に関する代表的な人物をとりあげ、その時代の茶文化の様相と変遷を描き出す。ともすれば茶の湯に偏重しがちだった既成の茶文化観を排し、茶文化が日本の歴史や文化の中で占める位置を明らかにしてゆく、茶を通して見る日本文化史である。

目次

第1章 茶の伝来
第2章  飲茶風習の拡がり
第3章 茶の湯の大成
第4章 展開する茶の湯
第5章 茶文化はどこへ行くのか
終章 茶の湯と日本文化

著者等紹介

谷晃[タニアキラ]
1944年、愛知県生まれ。京都大学文学部史学科卒業。芸術学博士。出版社、香雪美術館勤務を経て、野村美術館学芸部長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

浅香山三郎

6
2007年の本。10ヶ月前に購入したまま、積ん読化してゐた。茶道史のなかで大きな役割を果たした茶人を取り上げる、全体としては、余りひつかからず読める本。ただ、公家の茶の湯、煎茶道の広がり、高谷宗範と高橋箒庵との比較など、著者の得意分野での著述は示唆に富む。岡倉天心の『茶の本』は、そんなに面白い本なのか、と教へられるも、いざ読まうとしても、何処に積ん読してあるのかわからない。2016/06/24

nao

5
日本に於けるお茶の歴史を、その当時活躍した人達と共に説明していく本書。主に茶の湯のことを知りたくて読み始めたのだが、茶の湯最盛の時代以外にも、お茶が歴史と密接に結びついていることに驚いた。 奈良、平安時代に中国からもたらされたお茶が、室町時代に武家に受け入れられ力を示す道具として発展、それに対抗するように利休達による茶道具に重きを置かない「侘び茶」の誕生、遠州による武家茶の湯の確立、利休百年忌を機とした利休神格化と家元制度の確立、明治維新による衰廃の危機、近代数寄者による再興、そして女子教育としての茶道2018/12/09

暇人

1
お茶の日本文化史。もともと大陸から流れてきたのが喫茶だ。大陸文化の憧れなどから根づき、独自発展を遂げる。応用で新しい体系に作り上げるのは日本のお家芸だ。茶を中心にお点前、茶器、庵、思想などに波及していった。一杯お茶飲むだけの行為そのものが文化になるのは日本ぐらいのものだろう。侘び寂びをプラスイメージにもっていくのは逆発想だ。なかなか趣き深い一冊だ。2017/02/22

壱萬弐仟縁

1
芸術学博士による本格的な茶文化の概説。サビの意味は、①古びた趣、②錆色、③貧しい、④寂しくとも孤高を保つ、⑤茶の湯の風躰の一つ(174ページ)。④がいいと思う。福沢諭吉先生の独立自尊を想起する。サビは、「侘数寄や侘の茶が表出する美を規定」(176ページ)で、ワビの境涯や境地を表現しないという。本著は、村田珠光、武野紹鴎、千利休だけでない、豊かな茶人たちの意義を数多くしることができる。新書にもかかわらず、本格的な書物。2012/08/07

わたる

1
日本の茶人たちを通して茶の歴史を追う本。茶の湯(茶道)はもちろん、一般的な茶にも触れている。面白いテーマだと思う。「茶といえば千利休」というイメージ、茶を飲む習慣の変遷、宗教と結び付く茶、家元制度との関連、なぜ現在では茶の湯に女性が多いのか、等についてなかなか綿密に論じられている。終章にある『茶の本』の引用文にはハッとさせられた。簡単な参考文献でもあればさらに良かった。2012/02/28

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