講談社現代新書
キャラクター小説の作り方

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  • サイズ 新書判/ページ数 309p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061496460
  • NDC分類 901.3
  • Cコード C0295

内容説明

物語の舞台や登場人物をどう設定するか。オリジナリティ、「おもしろさ」とは何か。みるみる書ける小説入門。

目次

第1講 キャラクター小説とは何か
第2講 オリジナリティはないけれどちゃんと小説の中で動いてくれるキャラクターの作り方について
第3講 キャラクターとはパターンの組み合わせである
第4講 架空の「私」の作り方について
第5講 キャラクターは「壊れ易い人間」であり得るか
第6講 物語はたった一つの終わりに向かっていくわけではないことについて
第7講 テーブルトークRPGのように小説を作る、とはどういうことなのか
第8講 お話の法則を探せ
第9講 「世界観」とはズレた日常である
第10講 主題は「細部」に宿る
第11講 君たちは「戦争」をどう書くべきなのか
最終講 近代文学とはキャラクター小説であった

著者等紹介

大塚英志[オオツカエイジ]
1958年東京都生まれ。筑波大学卒。まんが誌のフリー編集者、まんが原作者、評論家、小説家として活躍
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サイバーパンツ

22
キャラクター小説、所謂ライトノベルの創作論。オリジナリティは過去の作品からの盗みや「パターン」の発見、昔話・民話や神話などを参考とした「お話の法則」などから成り立っており、決して無から生み出せるものではない。世界観は現実や日常をズラすことであり、またその細部にテーマを宿らせなければならない。というように、自分の書きたいことをまとめるための思考法や創作にあたっての最低限度の作法など実践的な内容が書かれている。単に小説の構造の解説に終わるのでなく、その構造を構築するための方法を示しているところに好感が持てた。2016/06/06

ヴェルナーの日記

16
本作は、小説のハウツー本というよりも、著者の日本文学における文学批評論。日本の近代文学は、私小説が主流を占めているが、実は、突き詰めていくと、著者の述べるキャラクター小説(ジュブナイルとか、ライトノベルなど)と同じであるということを論説した作品。大まかに括ってしまえば、どんな小説であろうと、キャラクター小説になってしまうが、私見では、これも大まかであるが、視点の違いよって、私小説と、その他の小説の違いが有るのではないかと思う。さらに日本における私小説は、著者自身の内・外面的体験に基づいているのが特徴的だ。2014/05/17

Takayuki Oohashi

13
大塚さんにハマるきっかけになった本です。最初は何のことはなく読んでいたのですが、TRPGの創作論の話になった時、食いついてしまいました。ゲームマスターとプレイヤーの視点で小説を考えるという論には脱帽です。この本以来、大塚さんの独特の論に惹かれるようになりました。東浩紀さんや宇野常寛さんというような論者もこの本が無ければ、読まなかったと思います。2015/08/04

misui

10
大塚英志の本って内容の重複が多いなぁ…というのはさておき、キャラクター小説(今だとライトノベルか)を作るハウツーと、キャラクター小説が成立する諸条件を言文一致体の誕生にまで遡って考察していく。やはり面白いのは氏のテーマである「死なない身体」を取り上げてキャラクター小説のリアリズムを検討する段で、いかにキャラクター小説において死を描くか、あるいは戦争を、現実を描くかという問題にまで進む。このあたり、そもそも言語・記号を使って現実を描くとはどういうことだろうとぼんやり考えている自分には興味深かった。2012/10/22

くらげ@

8
(☆☆☆☆)表題以上に小説について書かれた一冊。オリジナリティとは何か、キャラクター、世界観とは・・。作品の作り方だけでえなく、価値観などについても考えさせられる。なるほどなぁと思いながら読ませてもらいました。木更津キャッツアイが優れたドラマであるそうな。見ていなかったけれどその背景にあるものに興味を持ちました。2012/03/05

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