「生存者(サバイバー)」と呼ばれる子どもたち―児童虐待を生き抜いて

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「生存者(サバイバー)」と呼ばれる子どもたち―児童虐待を生き抜いて

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  • サイズ B6判/ページ数 232p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048850599
  • NDC分類 369.4
  • Cコード C0095

内容説明

長崎県の情緒障害児短期治療施設・大村椿の森学園。ここには壮絶な児童虐待からかろうじて生き延びてきた子どもたちが集まっている。見捨てられ、傷ついた子どもたちと、その再生を願い苦闘する学園の人々の物語。

目次

愛に飢えた子どもたち
暴力の嵐にさらされて
食べる楽しさと食べる地獄
最低限の人間性すら無視された子
「性的虐待」あるいは大人のための「性奴隷」
見たくないものを見せる罪
この世の中にいらない私
信じられるのはモノ、金、そしてカラダ
学園のもうひとつの子どもたち
中毒になる「虐待」
疑わしきは通報すべき
子どもたちにいかに声をかけるべきか
十年後二十年後のために

著者等紹介

宮田雄吾[ミヤタユウゴ]
1968年、長崎市生まれ。長崎大学医学部卒業後、長崎大学医学部精神科神経科に入局。長崎県立大村病院、佐世保市立総合病院を経て、2000年より大村共立病院に勤務し、03年に情緒障害児短期治療施設「大村椿の森学園」を開設し、園長となる。現在は大村共立病院副院長と「大村椿の森学園」主任医師を兼務している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆみきーにゃ

85
この本で初めて情緒障害児短期治療施設という施設があることを知った。一番愛されたい信用していた親からの虐待。心の傷は治療では治せない一生の傷になることを改めて理解した。子どもに寝る前に生まれてきてくれてありがとうを伝えているけども、これからも言い続けていこう!2022/03/07

芹沢 時雨@VTuber

11
とても読み易い、平易な文章で書かれた本。虐待についての凄惨な現場を描写した記述は少なく、虐待の例を端的に挙げ、少年少女らの治療についてのプロセスを重点的に記している。関係者の奮闘や施設、組織に関しての苦境も並列して書かれ、社会において到底認知されているとはいえない現況の艱難も訴えている。「警告はした、あとは君が何を感じるかである」との言葉が重い。自分の周囲の家庭に虐待が疑われる場合の対処法なども書かれており、簡易なテキストとしても優秀。2011/09/22

オリーブ

10
虐待に関する本は何冊か読んだ事があって少しは知っているつもりだったけどまだまだ私は知らないことだらけでした。親による虐待で最悪死を迎えてしまったニュースを観て私たちは糾弾するだけで満足していないでしょうか?虐待を受けている子もそうでない子も全ての子どもはある意味全ての大人を<敵か味方>かを判断する厳しい目を持った能力を備えていて、安心出来る存在・場所を求めているのだと感じました。最後の解説で漫画家の方の「警告はした、あとは君が何を感じるかである」という言葉はまさに私たちが考えるべき義務・使命だと思うのです2014/06/21

ままま

9
話のつながりが上手く、サラッと読める論文みたいな感じでした。「情短」は初めて知ったけど、もっと養護施設と密接に連携を測り、ケアしていき少しでも心の ケアをし社会に出すことが、今後の日本を担う子供には大切じゃないかなと。それと、大学や専門学校には学費も生活費も実費でしか行けないとか将来を大きく制限することになるので、国で何かしらの援助制度があればもっと優れた人材が埋もれなくて住むと思うのに残念です。2015/11/02

しげ

7
「麻薬、あるいは嗜好品やギャンブルと児童虐待はある同じ構造を持っている。両者に共通する特性、それはまず即効性だ」「(虐待は)言い聞かせるよりもはるかに短時間で自分が希望する方へ子どもを修正することができる」という言葉が印象に残りました。2017/08/17

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