角川選書<br> 愛の空間

角川選書
愛の空間

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  • サイズ B6判/ページ数 421p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784047033078
  • NDC分類 384.7
  • Cコード C0339

出版社内容情報

野外性交はアブノーマルな楽しみと捉えられているが、20世紀中頃までは日常的光景だった。日本人の男女が愛し合う場所は、なぜ屋内に移っていったのか? その過程と意味を報道記事・文学作品に探る、性愛建築史!

内容説明

終戦直後には「皇居前広場」という言葉が性交を連想させるほどに、かつては野外性交が一般的だった。しかし、待合、ソバ屋、円宿、ラブホテルなどの施設がうまれ、人々はもっぱら屋内で愛し合うようになる。それらの性愛空間は日本独特の意匠をこしらえ、ついにはディズニーランド風の建築に発展するのだった…。日本人の男女が愛し合う場所の移り変わりを探る、性愛空間の建築史。

目次

第1章 森の恋人たち
第2章 芸者たちと、待合と
第3章 ソバ屋のできごと
第4章 円宿時代
第5章 鏡と風呂
第6章 ラブホテルの時代
第7章 意匠、風俗、そして警察

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

大阪のきんちゃん2

1
あるシンポジウムで質疑応答の際、女性から言及され気になって図書館で借りた本。 日本人が愛の営み(あるいは、愛のない営み?)をどこで繰り広げてきたかを「建築物」に着目して膨大な資料を渉猟した挙げ句、400頁余の著作にまとめたもの。 こんなことを研究している人がいるのかとちょっと呆れる一方で、ニンマリと良くやったと讃辞を贈りたい。 皇居前広場のこと、蕎麦屋の二階の意味、その他諸々、大変面白く読ませて貰った。 学説?としては良く解らないが、社会風俗の勉強になった。2017/05/02

Meroe

1
近代の日本人はどこでセックスをしてきたのか。野原や公園など野外(!)、待合、ソバ屋(飲食店)、円宿、そしてラブホテルという場所の歴史を、小説や雑誌記事をたくさん引用しながら論じる。その歴史は売買春の歴史とも重なる、というより売買春に先導されていることがよくわかる。最新のものとして登場した空間や意匠がすぐに古臭いもの、同時にある種ノスタルジックなものになっていくのが面白い。文体はやわらかいが、時代と論が行きつ戻りつして多少読みにくい。2012/10/25

nranjen

0
近現代あたりの知られざる事情が!!鹿島茂の本に書かれてあった近現代のパリのレストラン事情と非常に似通っていて面白い。2016/05/09

白百合爆弾

0
皇居前広場の章だけでも一読の価値あり。日本人の性生活に対する価値観の普遍的な部分と、そうでなかったフリーダムな部分が良くわかる。道徳とはなんぞや!2016/02/16

川上

0
戦前戦後の野外性交についての箇所が大変興味深い。当時の通俗小説からその時代の風俗を探るってのもいいね。あとはあれこれ時代の趨勢な、そそ趨勢、おそそ事情、否、情事、の趨勢な。不見転、チャブ屋、パンマ、時代時代の言葉やなぁ。80年代あたりからの週刊誌の引用の胡散臭さたるや、すでに雑誌メディアの終わりの始まりを感じました。他著の霊柩車と美人論はとりあえず見送り。2015/11/14

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