「伝説」はなぜ生まれたか

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「伝説」はなぜ生まれたか

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  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784046532732
  • NDC分類 388.1
  • Cコード C0039

出版社内容情報

能登の洞窟にひそむ猿鬼、戸隠の山に棲む九頭龍、琵琶に宿る精霊……。物語ることの意味を解きあかす神話学を背景に、日本人が愛する伝説を読み直し、民衆の心性と歴史、王権と人身御供の秘密にせまる画期的伝承論!

内容説明

能登半島・旧柳田村「猿鬼伝説」、高知県・旧物部村「いざなぎ流の祭文」、戸隠・箱根「九頭龍伝説」。神話学、文化人類学を背景に日本の伝説・説話を読みなおし、日本文化の核心を浮き彫りにする。

目次

序章 「物語る行為」の宇宙―出来事・記憶・歴史
第1章 猿鬼の棲む洞窟―誰が猿鬼を退治したか
第2章 遷移する天竺―「お伽草子」から「いざなぎ流祭文」へ
第3章 龍が生きている山―九頭龍信仰論への視角
第4章 琵琶怪異譚―霊と幻想のメディア
第5章 天皇と異界―王化された妖怪退治・生贄伝説を読みとく

著者等紹介

小松和彦[コマツカズヒコ]
1947年、東京都生まれ。国際日本文化研究センター所長。埼玉大学教養学部教養学科卒業、東京都立大学大学院社会科学研究科(社会人類学)博士課程修了。専攻は文化人類学・民俗学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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kuppy

3
日照り、洪水など荒ぶる自然を異界の化け物(鬼猿、九頭龍等)に映し、生贄を捧げてきた。時に外部から来たヒーローが化け物を倒し村の長となっていく、それが王権に昇華されたものがスサノオの八岐大蛇伝説である。最後には研究の端緒であり、これはラフスケッチであると中途半端に終わってしまい消化不良の感があった。猿が悪者になるケースが多いのは農作物を荒らしたりと憎悪の対象になりやすかったからか。2023/09/08

in medio tutissimus ibis.

3
伝説はなぜ生まれたか、を主題にしているのは序章だけであとはまあいろんな場所やモチーフの伝説に関する論文。で、その序章が一番難物。一番読むのに時間がかかったが結局よくわかんなかったぜ。伝説はなぜ生まれるのか……。第五章の王の身代わりとしての生贄論はそれはそれとして面白いとおもうけれども、気になったのは伝承の変遷に王権によるプロパガンダを疑うなら、そもそも生贄なんかも本当にあったのかっていうところ。ミノタウロスの神話はアテネによるプロパガンダで、迷宮は迷いようのない構造してたし、単なる成人式場でした、みたいな2020/03/04

らむだ

3
第五章・天皇と異界における生贄・身代わりの考察は圧巻。ぜひ、発展形の考察を読みたい。 ―――猿鬼伝説。天竺。九頭龍。琵琶。天皇と異界。2016/05/21

メルセ・ひすい

3
初出…岩波講座 文化人類学 第10巻 日本妖怪学大全 小学館2003年 日本人の異界観 せりか書房 人と水Ⅲ 水と文化 勉誠出版 2010年 琵琶をめぐる怪異の物語 夢枕獏変 琵琶奇談 日本出版社 2006年 柳田曰く…民俗学の研究に誘われたのは、伝説を含む広義の「説話の魅力」に取りつかれてしまったからである。能登の洞窟にひそむ猿鬼、戸隠の山に棲む九頭龍、琵琶に宿る精霊…。物語ることの意味を解きあかす神話学を背景に、日本人が愛する伝説を読み直し、民衆の心性と歴史、王権と人身御供の秘密にせまる画期的伝承論。2013/05/02

takao

1
論文集であり、文章はちと難しい。伝説の解釈の作法みたいなものは垣間見ることができる。 2018/10/03

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