出版社内容情報
『新古今和歌集』研究の最も詳細で基本的な研究書。三十年ぶりに刊行!
技巧を尽くした華麗な歌のすべてを読み解き、和歌文学のみならず日本文化を知るためにも役に立つ! 同時代の批評や享受史にも目を配っている。第五巻には、恋歌五・雑歌上・雑歌中を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山がち
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恋と雑の歌であるが、あまり好きな歌はなかった。ただよみ人しらずの「玉水を手にむすびても心みんぬるくは石の中もたのまじ」などは、貫之の歌や伊勢物語の歌などが想起され、イメージとしても好みである。それにしても、水がぬるい、それも玉水がというのはどういうことか。古典の世界としても、恋の歌としてもやはりこれは目を引く。上の句から下の句へのつながりもそうだ。雑の歌に関しては、思ったよりも季節の歌や恋の歌のようなものが多く、古今集とは少し中身が変わっているように感じたが、この間に何があったのか歴史的変化も気になった。2014/01/23