出版社内容情報
マスコミ界伝説のご意見番が復活!堕落した日本のジャーナリズムを斬る●戦前、戦後と昭和を駆け抜けたジャーナリスト・大宅壮一だが、現在は「大宅壮一ノンフィクション賞」「大宅文庫」でしか名前を聞いたことがない世代が多くなり、実際の足跡、業績は知らない人が大半である。権力に阿ることが見受けられる昨今のマスコミ界に、もし彼が存命なら何と論評したか。無思想を標榜しながら時代の表層を斬り、その深部にあるものを抉り出した希代の表現者の評論をセレクト、年代順に選び昭和の世相を振り返る。政治家や官僚の汚職や不正、大衆の飽くなき欲望など、来るべき未来を予見し、時代が移っても人の営みの本質は変わらないことを衝いた名コラムを、現代にも通じる視点で娘の大宅映子氏が解説、寸評する。「一億総白痴化時代」など強烈なコピーを、その前後の文脈をきちんと紹介することで、褪せぬ魅力を伝える。気骨のジャーナリストが少なくなったいま、「再び、出でよ!大宅壮一」をメッセージとする。
●大宅映子氏は常々、自分の意見を持たず、大勢に流される日本人を批判してきた。彼女がコメンテーターとして出演する「サンデーモーニング」(毎週日曜日朝8時?)は、リベラル派の論客が集う高視聴率報道番組だが、その中で唯一周囲に同調せず、例え番組全体を形成する主旨と異なっても、己の考えを毅然と述べ、ネットでも話題になる。自らの職業を評論家と名乗る大宅氏は、戦後マスコミ界の巨人・大宅壮一を父に持ち、この偉大なジャーナリストの血を受け継ぐ。大宅氏は戦前のように全体主義に陥る危険性を持つ日本人へ常々警告する。嘗ての日本の軍国主義者やヒトラー、スターリン、最近なら米国共和党のドナルド・トランプらポピュリズム(人々の不安や恐れを利用する政治手法=大衆主義、人民主義)を武器にした権力者と対峙するには、普段から意思を貫くことが大事であるとアドバイス。現在、マスコミでの大宅氏の主戦場は、「土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!」(TBSラジオ、毎週土曜日朝6時?)で担当するコーナー「大宅映子の辛口コラム」(7時半過ぎ?)。ここでは大宅氏が様々なニュースを縦横無尽に論評。
「一億総白痴化」「恐妻」「太陽族」「駅弁大学」「太陽族」「家庭争議」「ジャリタレ革命」「口コミ」「男の顔は履歴書である」等、優れた造語で戦後の世相を炙り出した。今も褪せない傑作コピーの数々をキーワードとして各章のタイトルに絡め、大宅映子が現代の視点から解説。
大宅 壮一[オオヤ ソウイチ]
大宅 映子[オオヤ エイコ]
本名・枝廣 映子。1941年2月23日、東京生まれ。日本のジャーナリスト、評論家、コメンテーター。日本インフォメーションシステムズ代表取締役。大宅壮一文庫理事長。株式会社高島屋社外取締役、西武ホールディングス社外取締役。資生堂社外監査役。ホリプロ所属。日本ゴルフ改革会議議長。
内容説明
怪物評論家の傑作コラム。自民党独裁、天皇譲位、巨大宗教、ネット社会の脆さ…日本にはびこるジレンマとタブーを半世紀前に喝破。
目次
第1章 一億総白痴化―巨大メディアを斬った男(「一億総評論家」時代(昭和33年)
またも“転向”の季節を迎えた(昭和41年) ほか)
第2章 総裁選はデンスケ賭博―宰相たちを斬った男(“三ワ”(昭和27年)
遵法デー(昭和32年) ほか)
第3章 ジャリ革命―進歩的文化人を斬った男(文学大将(昭和27年)
ノーベル賞候補(昭和32年) ほか)
第4章 セコハン民主主義―昭和の虚構とタブーを斬った男(セコハン民主主義(昭和27年)
血と迷信(昭和27年) ほか)
著者等紹介
大宅壮一[オオヤソウイチ]
1900年、大阪府富田村(現在・高槻市)生まれ。旧制第三高等学校に進学。1922年、東京帝国大学大学部社会学科入学。新人会に所属、在学中より健筆をふるう。第二次大戦後、時代の風潮をみごとに裁断する独特な社会評論や人物評論で長くマスコミ界で活躍。自ら“無思想人”を宣言。1970年11月22日、永眠。死の直前に大宅壮一ノンフィクション賞が創設され、ライターの登龍門となっている
大宅映子[オオヤエイコ]
1941年、東京生まれ。1963年、国際基督教大学卒業後、PR会社勤務。1978年から始めたマスコミ活動では、国際問題・国内政治経済から食文化・子育てまで守備範囲広く活躍。現在、株式会社西武ホールディングス社外取締役、日本年金機構の非常勤理事、公益財団法人大宅壮一文庫理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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