出版社内容情報
日本のふたつの憲法の全条文と口語訳を付し、気鋭の憲政史家の解説で読む、教養としての憲法。
内容説明
日本には、明治二十二年（一八八九）に発布された大日本帝国憲法と、終戦後の昭和二十二年（一九四七）五月三日に大日本帝国憲法に代わって施行された日本国憲法のふたつの憲法があります。本書は、日本国憲法・大日本帝国憲法の原文・口語訳に各条文のポイント解説を付し、ひとつひとつの条文がもつ意味や問題点をわかりやすくしました。また、巻末にはふたつの憲法を比較した解説を掲載しています。国の原理・原則を表す憲法は、日本という国を知るための基本となるものです。日本人ならば知っておきたい憲法が、グッと身近なものになる一冊です。
目次
日本国憲法
大日本帝国憲法
著者等紹介
倉山満［クラヤマミツル］
１９７３年、香川県生まれ。憲政史研究者。帝国憲法をインターネットで学ぶ「倉山塾」の塾長。毎日１８時に教養番組をＹｏｕＴｕｂｅで配信する「チャンネルくらら」の主宰（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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河瀬瑞穂＠トマト教司祭枢機卿＠MMM団団長
27
大日本帝国憲法・日本国憲法の全文と、それぞれの口語訳。口語訳や解説に多分に主観的意見が入っているので、読むときは要注意か。砕けた文体ながらニュートラルである事に細心の注意を払っていた「日本国憲法を口語訳してみたら」の方が私としては人に薦められる。ただ、大日本国帝国憲法全文を読む機会と言うのはまずないので、そういう意味で一度は読んでおくとよいかもしれない。立憲君主国家を目指して制定された大日本帝国憲法が、とても出来の良い憲法であった事に触れられる。2015/06/29
軍縮地球市民shinshin
11
帝国憲法は簡潔にして要点を得ていて、100年以上も前に制定された憲法としては、かなりよくできているのではないだろうか。学校で教わった帝国憲法の「欠陥」というのはどれも的外れだということが分かった。内閣の条項がないというのは、帝国憲法は1889年、内閣制度は1885年に出来ており、内閣官制など別の法があったから憲法に書かなかっただけ。国民の権利を法律で制限しているというのも、今の憲法みたいに無制限にしてしまうと「なんでも俺の勝手」だと言い張る輩が登場してくるのを防ぐためであったことが分かった。つづく2015/05/08
phmchb
8
現憲法と明治憲法の比較に使える本2015/05/14
LUNE MER
7
今回の参議院選挙には投票しに行けず忸怩たる思いの中、結果に対する報道を追いかけながら改めて議会の章を再読。大日本帝国憲法との比較も行いながら今一度精読。昭和35年の新安保条約締結時に強行採決、衆議院の優越による自然成立がどの条文を根拠として合法的に行われたのかも念頭に。さて、改憲に向けて現憲法の条理はどうなっているのか、そして政府と国民はどう振る舞うべきか、今一度考えてみる。2019/07/22
みじんこ
6
二つの憲法を原文と口語訳で読む。口語訳により帝国憲法の内容が把握しやすくなっている。まずは現行憲法前文と帝国憲法告文の文字のフォントの違いに注目。一目で倉山氏の意図が感じられる（笑）現行憲法の絵空事を並べ立てたものと比べて、帝国憲法のものは祝詞、日本らしい内容に思えた。全ての条文にワンポイント解説が付いており、それを読むだけでも勉強になる。現行憲法では帝国憲法で不備があった部分が直っていたりするが、帝国憲法の方が全体の内容が簡潔である。当時の日本でこれだけ整った内容の憲法が作られた、というだけでも驚き。2015/05/04
