文学の断層―セカイ・震災・キャラクター

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  • サイズ B6判/ページ数 277p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784022504081
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

内容説明

1995年1月17日未明―阪神・淡路大震災の一撃がこの国の“リアル”に亀裂を入れた。虚構空間を多重化する「ライトノベル」、「おたく」「サブカル」「ヤンキー」たちの棲み分ける「小説」、「戦争」を描くセカイ系と成長をやめた「ニート」たち―新たな文学の地勢図を解き明かす、画期的文芸評論集。

目次

第1章 キャラクター(キャラクターと作家の自意識;メタ・キャラクター・メタボリズム)
第2章 棲み分ける「小説」(オンライン小説、あるいは文化的誤受信による三幅対)
第3章 家族(カーネーションよりも紅いバラを)
第4章 戦争とニート(「中景」を喪くした「セカイ」;なぜ「戦争」は「成長」を描き得ないのか)
第5章 震災と文学(阪神・淡路大震災と文学;遠隔地のトラウマ ほか)

著者等紹介

斎藤環[サイトウタマキ]
1961年生まれ。岩手県出身。筑波大学医学研究科博士課程修了。医学博士。専門は思春期・青年期の精神病理学、病跡学、ラカンの精神分析、「ひきこもり」問題の治療・支援ならびに啓蒙活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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サイバーパンツ

11
東浩紀に影響を受けた文芸時評という感じで、メインはファウスト系作家やオンライン小説、セカイ系論など。タイトルに反し震災後文学の話は5章のみと少ない。地名やジョジョの影響などに着目した西尾維新論、ターゲットへ確実に届けてしまうせいで各クラスタの文化的背景を象徴してしまうネット小説、キャラ概念から考える『りはめ』、村上春樹、清涼院流水らが描いた多重化した虚構空間を「祈り」の言葉で合一化しようとした舞城王太郎など、あまりまとまりはないが個々の評論は面白く、いくらか得るところもある。2018/08/16

kiji

1
震災が文学に影響を与えている(ようにみえる)という分析は興味深いです。関東大震災の頃ほどには小説界に勢いがないのでさらに追求するのは難しいかもしれません。文化活動全般ならできるかも。他にはオタク、サブカル、ヤンキーの分類が、なるほどと腑に落ちました2013/04/26

nanchara_dawn

1
2004年から2006年まで『小説トリッパー』に連載された文芸時評を単行本化したもの。『文学の断層』というタイトルだが、「(阪神大)震災後の文化」について書かれているのは全五章中の第五章のみで、(著者自身が書いているように)問題の大きさに対して論じるのに充分な枚数とも思えず、少し拍子抜けした。吉田修一「最後の息子」についてのくだりが説得的で、面白かった。2012/12/17

1
そういえば震災と文学を論じるものにあまりであったことが無かった。やはり簡単には語れないからだろうね。2009/06/24

じょに

1
あぁなるほどなぁ、というヶ所が何ヵ所か。震災っていう視点は、自分にはなかった。そういえば、当事者スレスレな立場にあった訳だけれども、筆舌に尽くし難いとか、言葉では表せないだとか、そういう経験だった気もする。少なくとも、突然、裂け目から現れた非日常を楽しめる年齢ではなかった。2009/02/09

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